グリーン・ブック

2019 年 3 月 2 日 土曜日

イタリア系の用心棒と黒人天才ピアニストのアメリカ南部への興行旅。

最初に奴隷として連れてこられたのはアイルランド人。アメリカの奴隷

制度は先ず白人奴隷から始まります。次に労働者として黒人奴隷やアジ

ア人奴隷が連れて来られてアイルランド人は、警官に格上げされます。

人種間の階級のつくり方と云うのは、古今東西どこも同じような発想を

します。イタリア人と云うのはそれはやはりローマ人の末裔ですからプ

ライドは高い。出来上がりつつあった階層の中でマフィアとか暴力系で

のし上がって行くしかなかったのでしょうか?イタリア人も警官が多い。

日本人はハウスサーバント、韓国人は洗濯屋、中国人は運転手等とそれ

ぞれ人種で職業が決まっていました。ずっと昔の話です今はそんなこと

は有りません。人種と云うくくりで物を喋ること自体が愚かさの証明と

なっています。しかし人種間に限らず、男女間でも家族親族の中でも仲

間の中でもLGBTの中でも人は優位劣位を求める。自尊の感情やプライド

と云う概念の中にその芽は在るのですが、誰かを蔑む事でしか持てない

信念をプライドとは言いません。価値観や文化が違う人と出会う事で新

しい自分に出会える。それを成長と云います。韓国人が!中国人が!ユ

ダヤ人が!ロシア人が!と属性で物を云っている人は永遠に誰とも出会

えない。用心棒とピアニストの二人の顔が最初硬くてそれがだんだん優

しい顔になって行く。それは我々観客の顔もそうなのです。初めの強張

りから最後は緩い顔になって行く。実話だからしょうが無いけど、少し

時間の流れが緩いなと感じました。しかし心が解けて行く時間だと思え

ばそれはそれで良いのではないでしょうか?

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