2018 年 4 月 16 日 月曜日

もうかれこれ1年半、殆んど毎週、狛江の推拿整体の先生の所に

通っています。日曜日の午前中に行っているので、殆んど旅行にも

山登りにも行けないし、土曜日に仕事したら週末は狛江詣で終わって

しまいます。最初はぎっくり腰を治しに通っていました。そのうち昔の

古傷が甦って来ました。それも治りつつありますが、いまは、身体に

ついての不思議とそれらの関係を勉強しに行っている感じです。痛い

ツボを責められながら身体の構造を訊くのがとても為になります。こんな

年になって一番根本の身体の事を勉強するなんて、今更ながら遅きに

失した感が否めません。身体の中にこころはあります。良い事も悪い事も

一番先に知るのは心臓です。こころが人の生き方の全てを決めます。

そのこころが身体にあるのです。3か月で入れ替わる60兆個の細胞の

一つ一つがこころを作っているのだと思います。大脳の細胞は200億

個ですので0.03%しかないです。そのたった0.03%の部分に一日の、

又は自分の人生の大半を委ねている。それは何処かいびつな事。

身体が整っていくと、こころが穏やかになって行きます。特別な何かを

食べたいとか、特別などこかに遊びに行きたいとか、あまり思わなくなって

来ました。食事の好みも随分変わって来ます。野菜を多く摂るようになった

かな?初めてのお客様でもあまり緊張しなくなりました。

生まれた時に完全無欠だったこころは、対人関係や社会の軋轢に

さらされることによってだんだん歪んでいきます。その歪は身体に現われます。

身体を整えることは心を整える事と云うのは、まさしくそういう事なんだなと

今更ながら知らされました。先週上野に国立博物館の人体展に行って

来ました。ずっと見ながら、これは文字通り人体で在って身体では無かった。

西洋医学は心と身体を別のものと考えるので、私が探しているものでは

ありませんでした。「いのちを呼びさますもの」医療と健康、体と心についての

深い哲学が書かれた本です。世界とも誰とも繋がらない私と云う宇宙に今

興味がつかないです。

 

映画 ラブレス

2018 年 4 月 9 日 月曜日

色んな隠喩がちりばめられた映画。とてもストレートにそれぞれが

描かれていています。倒木、冷たい水、冬なのに取り残された鳥。

神経質に鳴らされる甲高いピアノ。ずっと静かに響き続ける電子レンジの音。

非常線に貼られるテープが風に吹かれる。罵り合う夫婦、セルフィーの

大人たち。雪遊びの子どもたち。何故か泉谷しげるの「春夏秋冬」が

頭の中で響き始めました。うるさい床の音はそれぞれの苛立ち。ラジオから

流れる政治の話、ロシア国家の問題、愛の無い人達を描きながら対照的な

ボランティアの人たちの献身。しかしその背後にあるイギリス系キリスト教会の

存在を、デフェンダーでなんとなく暗示しています。元共産主義国が作り出

してしまった人民のエゴイズム、厳冬に立ち向かわざる得ない強い克己心。

そこに出現したスマホ。ロシアのジャージを着てランニングマシーンで走る

主人公の目は、我々を覗き込みます。消費主義社会で王様になり、スマホを

手にして神になった我々を。

最初に木に引っ掛かった非常線のテープで映画は終わります。

甲高いピアノの連打。とても良い映画でした。私たちの暗喩。

たった一行の明滅

2018 年 4 月 6 日 金曜日

本の帯、最終稿。「君たちはどう生きるか」と云う本はそのタイトルだけで

200万部売れました。あんなタイトルを付けて欲しいと駄々を捏ねると

編集部が知恵を絞って、キャッチコピーを付けて来てくれました。

「たった一行の明滅」言葉は神なり。あなたに見つけられる事に

よってあなただけの言霊、祝詞、真言になります。


4月6日 城の日

2018 年 4 月 6 日 金曜日

本日は城の日です。こちらは畠中さんの「Be revived」 お城の写真集です。

去年印刷・製本させて頂きました。表紙のお城は、岡山備中松山城。

天守閣が霧の中に浮かぶ幻想的なお城の写真です。

一般的に城と云いますとズバリ天守閣をイメージしますが、天守閣は城の

一部でしかありません。端のお堀から又は山のすそ野から全てがお城です。

畠中さんに教わりました。目を見開かせられました。ですから写真集には

石垣の崩れかけた残滓から小高い丘、又は唯の山塊様のものまで城跡と

して写し撮られています。勿論メインの天守閣を中心にお堀の端から端

でと云った写真がほとんどですが、お城と云う概念の広がりにまたその

戦陣の残照に驚嘆の一言です。今のお城ブームが始まるはるか前より

ライフワークとして全国のお城を撮影されています。素晴らしい写真集です。

www.kazuhisahatanaka.com こちらからお買い求めできます。

在りし日の熊本城。



聖山 渡辺千昭写真集

2018 年 4 月 6 日 金曜日

日本カメラ発行 聖山 永遠のシャングリラ 渡辺千昭写真集

渡辺さんが25年に亘って撮り続けてこられた中国、チベット辺境部の山々の

写真集です。昨日ご入稿で来社くださったおり、去年出版された写真集を

頂きました。この25年で驚くべき変貌を中国は成し遂げて来たと云われます。

牧歌的なシャングリラと云われていた所に高層、高級ホテルが立ち並び、2000

キロに及ぶ高速道路は、聖地に大量の観光客を送り込む基幹道路となり、巨大

資本は悠久の時間を紡いできた農民たちを誰にも見向きもされなかった土地へ

追いやります。そこに住み着いていた人々の暮らしが豊かになるのだったらまだ

納得も出来る話ですが、ただ追いやられるだけ。習金平になってますます加速

しているようです。渡辺さんは山岳写真家ですが、この写真集には山だけでは

無い多くの人々の暮らしや歴史が写されています。


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