奈良食べる通信4月号
2018 年 4 月 20 日 金曜日五條市の坂本姉妹が育てる白鳳卵。父の病死。母の闘病。
語るも涙の奮闘記。「がんばれ~!」なのです。編集長も
云っているけど「覚悟」なのです。会社員や、サラリーマン家庭と
決定的に違うのは、生まれた時から親の覚悟を肌身に感じながら
育つという事。それは、どんな小さな商いでも自分一人で全て
引き受けるという覚悟。自然を相手にするというのは、本当に
尊敬に値します。
五條市の坂本姉妹が育てる白鳳卵。父の病死。母の闘病。
語るも涙の奮闘記。「がんばれ~!」なのです。編集長も
云っているけど「覚悟」なのです。会社員や、サラリーマン家庭と
決定的に違うのは、生まれた時から親の覚悟を肌身に感じながら
育つという事。それは、どんな小さな商いでも自分一人で全て
引き受けるという覚悟。自然を相手にするというのは、本当に
尊敬に値します。
今回は、米水津のイワシの丸干し「黄金いわし」魚は大きいモノより
小さい方が断然美味しいのですが、都会の人は、マグロやぶりや
サーモン等ばかりに目が行きがちです。頭と内臓も含めて丸ごと
食べる方がうま味成分も多くて圧倒的に美味しいのです。瀬戸内育ちで
究極の腹ペコ野郎だった私が云うんだから間違いないです。
食べる通信を読んでいて食べ物の事を知るのも楽しいですが、やはり
地域の事や家族の物語を聴くのはとても面白い。海に近い所で育つ
人間は、世界に出て行くのは割と平気、一か八かの度胸は付きやすい。
奥さんが良い顔しているので、この家は大きくなりますね。
昨日から銀座松屋で「ウォーリーをさがせ展」が始まっています。
記事の中に鈴木のりたけさんの写真が在ったのですが、イラスト
レーターののりたけさんと勘違いしちゃって「あれれ、しゅっと
しちゃって随分あか抜けたなと思いながら読んでいたら別の「のり
たけさん」でした。いつも名前だけでメールのやり取りをしている
せいで名字忘れていました。のりたけデザインとウォーリーのコンセプ
トは割と似ています。表現は真逆ですが。全体の中からたった一人の自
分を探し出して云いながら全体の中に溶け込みたいという欲求、同じ顔
の没個性から全体性への回帰。個人が全体に収斂しながらそこを通過し
てもう一段階上の個人へ。40年前テクノが流行ってクラフトワークや
Y・M・Oが出てきたときもコンピュータが出始めた時でした。また今、
AIの潮流が全体性への志向を強めた時、このような問題提起が行われ
ます。かけがえのない自分とめんどくさい自分との間でずっと揺れ動
いている私たちがいます。
素敵な「のりたけウォーリー」「ウォーリー展」でどうぞ。
編集部にある松葉さんの写真をもうかれこれ2か月以上、見続けています。
昨夜、BSで渥美清の「拝啓天皇陛下様」をやっていました。
何回か見ている映画でしたが、なんとなく観つづけてしまいます。
この写真の少年位の年の頃。家から1キロぐらい離れたところに
大きな川が在って橋の下に傷痍軍人が住んでいました。昭和35年頃。
片足がありませんでした。私は、しょっちゅうその人を見に行っていました。
暗くなるまでその人を見続けて、黙って帰ってた。
昨日渥美清を見ていたらあの傷痍軍人と6歳で亡くなった姉を
思い出してしまいました。松葉さんの写真は私だけに響くものでは
ないと思います。みんなが持っているあの確かな幸福の時間、瞬間。
そこに静かに案内してくれる。
松葉さんは1902年生まれの人。木村伊兵衛さんとはひとつ違い。
一回り下に植田正冶さんが居ます。昭和元年が25歳ぐらいですから
それぐらいから戦争までの間、バスの運転手と云う仕事の合間に写真術を
勉強されて家族や身の回りの物を独学で撮り続けておいでだったようです。
終戦を機に写真はやめられてそれ以降、カメラを手にされなかったようです。
何かを失くされてしまったようですが、それにしても・・・・・・・。
松葉さんの写真を見ていると胸を締め付けられるような思いに駆られます。
来週発売の「未明02」の隠し玉。一挙、32ページ掲載。
4月25日荻窪「Title」先行発売です。