万引き家族
2018 年 6 月 4 日 月曜日土曜日の朝、口開けで見てきました。パルムドールと云う賞に期待
しすぎていたせいか、鑑賞後は、アラが目立つ感じが在ってさほど
良いとは思わなかったです。ユルイし雑だし、万引きを知らないと
思ったし、リアルな底辺の人間を知らないなとも思っていました。
でも何だかスッキリしないのでずっと考え続けました。まだ観てい
ない人の事考えるとここであまり話の中を書くと折角の体験が台無
しになっちゃうなと思います。土曜日曜と考え続けた結果、今はや
はり良い作品だな考えています。敢えて綻ぶ寸前と云う雰囲気を創
っています。「万引き」とは、商品を間引いて盗む「間引き」が変
化して万引きとなった。間を盗むとは関係性を盗む事。承認欲求の
強いナルシストの父親役、虐待されて育った母親役、亭主を盗まれ
た婆さん役。それぞれが子どもたちを万引きして来て家族を作った
のでした。しかしそれぞれの親役や婆さん役もそれぞれの家族から
それぞれのモノを万引きされているわけですね。
家族と云うモノを改めて考えてみると肉欲と生存欲と銭欲とナルシ
ズム。この多寡で家族という関係性は成り立っているわけです。消
費文明の主体は、個人一人一人になっているのですが、その様に捉
えると家族の形そのものが崩壊し始めるので、自明の事と役割とし
てしか定義させないのが伝統的な家族主義の人々なわけですね。
関係性を間引かれた家族の喉元に突き付けられた匕首が「万引き家
族」だと思います。それぞれが自分は家族の構成員として誰かから
何かを万引きしていないか?お店で商品盗る事では無かったです。