東京アートブックフェア―を終えて
2017 年 10 月 12 日 木曜日今年のアートブックフェア―は、信濃町の外苑キャンパスから
天王洲アイルの寺田倉庫に場所を移して開催されました。
最初は、出店募集を少し伸ばさなければいけないような状況も
ありましたが、蓋を開けてみたら、初日有料のオープンと同時に
とんでもなく込み始めていました。ゲストカントリーが中国、韓国、
台湾、シンガポールのアジア各国、そして、イニュニックの隣が
中国の有名書店、出版社という事も有りイニュニックの周りはとても
混んでいました。中国の国慶節も大きく影響したと思います。しかし
じっと見ていると中国人観光客は余り買っていませんでした。でも
人は人を呼びます。斜め前には台湾で有名な川島小鳥さんがいて、
大きな塊が出来ていて、隣にも観光客の塊が有ります。間に挟ま
れたイニュニックに人が流れ込む川が出来たのでした。
中国では尾仲さん、山谷さんは有名なようです。
参考展示していた「ラマラマディンドン」を中国の出版社の人に
見せてあげると、良いな良いなとずっと見ている。撫でまわすように
何度も何度も見ているので、「中国にこの本の良さを広めてくれるの
だったら持って行ってもいいよ」と云ってあげたのです。
代わりにレンハンさんの写真集くれました。
4日目になって山谷さんが来て彼が「ラマラマディンドン」
持っているのを見て、事情を話すと「えー、ただであげたの?」
と吃驚していましたが、客は種まかなきゃ育たない。特に中国にはまだまだ
アートは育っていません。有名作品をただ、投資の様に買っているだけです。
無名作品は見向きもされないようです。そういった意味で写真集より
プリントが投資対象として売れているようです。
イニュニックの広告でパーソナルの消滅を書きながらアートの方向性を問う
提言を投げかけたのですが、結果的に見つけたのは、上田順平さんの超
極私的個人の物語りでした。アートの立ち位置は基本的に1mmも動いて
いないのかも知れません。