TSUKIJI WONDERLAND
2016 年 10 月 25 日 火曜日築地市場の映画。場内の仲買業者にスポットを当て一日、一年を
場内のあらゆるところを紹介した、インタビュー、ドキュメントです。
月に一回、場内をあっちに行ったりこっちに行ったり探検していますが
中々、商売の本音を腹割って喋れるわけでもなし、ただひたすら
見て、観て脳裏に焼き付けるばかりです。最後の築地なのです。
この世界が消えてしまうのです。東京に残る昭和の最後の赤線だし、
焼け跡バラックだし、闇市なのです。新しいところに行ったらこの親父たちも
この雰囲気も全て消えます。グローバル商社がしっかり仕切り、無色透明な
数字だけが行きかう世界になるでしょう。豊洲はその方向で創られているそうです。
5度以下に空調管理されたコールドチェーン。TPPに合わせて作られた巨大な冷蔵庫。
この映画は今の築地の価値を正直に正確に映しています。
有名すし店の親父たちが口を揃えて言います。私たちには魚の目利きは出来ません。
これって、凄い敗北宣言だと思いませんか?魚を見る事が出来ない。じゃー、
あんた達は、どこで仕事しとんですか?生魚って素材がすべてだと思っていました。
でも、お寿司屋さんの言い分も分かります。魚は海の中を自由に動き回ります。
四季によって海流によって、餌になるプランクトンが違うので、獲れた時期と場所に
よって魚の状態はいつも違うそうです。大間のマグロが一年中最高かと云うとそうでも
なく他の場所で獲れたモノのほうがいい場合もあるそうです。それを知っているのは、
仲買業者です。だから、信頼できる仲買に任せるんだと云います。つまり、すきやばし
次郎を支えているのはそれらの魚を仕入れる仲買さんなんですね。
ビニールジャンバー着て、長靴はいて、眉間にしわ寄せて歩いていると、誰も何も言い
ません。しかし、大体見抜かれています。値札が無いのは聞いても高い価格しか言い
ません。まず魚のキロ単価を暗記するところから始めます。