台湾取り上げる企画を良く目にし、木村伊兵衛賞が台湾の少女撮った
川島さんでしたし、今回の直木賞は台湾から来た若者の青春ミステリー。
20年前両親と旅した台湾が懐かしく、義姉と姪と4人で行ってきました。
空から見下ろす街並み、空港から市内に向かう建物、20年前とは
随分様変わりしていました。くたびれ、さびれた雰囲気。
街が変わったのか、2回目の落ち付きで冷静に観察する目が備わった
のかは、分かりませんが、元気が無いのは確かです。特にそのような
路地裏ばかりうろついたので特別そんな感じを受けたのかも知れません。
高校の教科書を中国寄りに書き直すという、日本と同じような教科書書き換え
問題が発生していて、若者が国会を占拠したり、自殺したりと政治的に変化が
起きています。20年前に来た時、台湾はアジアの工場として活況を呈し、
生活が豊かになる希望に満ちあふれていて、とても親切だったし、街角のいろ
んなところから救いの手が差しのべられていました。
20年前のそのあと少ししてから、日本は海外工場を中国に移し始めます。
裏切られた思いがあるのかもしれません。疲弊した経済を今、持ち直している
のが、中国からの観光客なのです。ホテルでも観光名所でも至る所に中国
からの観光客の喧騒があります。特に日本人の場合そのような空間でことさら
静かになるので、ほとんど目立ちません。
アジアの工場の座を無くしたこととITによる産業の空洞化が台北に起きて
いることで、これはこの先、東京でも起きうることでもあります。多分今の台湾の
良さは、地方、高雄や中台、花蓮など地方のほうが良いのかな。
特に次行ってみたのが宜蘭(イーラン)。
フィールドオフィスアーキテクツという建築家集団が街づくりをしているところ。
「リヴィング イン プレイス」 田園と都市と生活者と空白、バランス良く
それぞれが結びつく場所づくりの実験がなされているところです。
台湾を中国に摂られてしまわないようにという、観光ブームで推すのではない、
もう一つ新しい視点が持てる場所です。
誠品書店だって、本を中心にした百貨店づくりという面白いコンセプトで展開
しています。違う文化に触れるというのはやはり刺激的です。