メモワール

2014 年 2 月 14 日 金曜日

平松さんの「野蛮な読書」を買ったのは目次にクリスティーネの名前を

見つけたから。クリスティーネといえば古屋誠一さんの奥さん。

「メモワール 写真家・古屋誠一との二〇年」小林紀晴。この本は去年

読んであまりに濃い内容で恐れおののいたまま、どのような言葉も出て

こない本なのです。出てこないのだったらずっと考え続ければ良いと

頭の片隅にに入れてずっと持ち歩いていたのですが、ちょっとカンニングで

飛びついたのでした。しかし、もうちょっと持ち歩くことになりそうです。

野蛮な本と弁当

2014 年 2 月 14 日 金曜日

平松さんは、リズムときっぷが良いので最近のお気に入り。

礼儀作法の先生の言葉に反発する平松さん。

「大人になったらいざという時、慌てないように喪服の一枚も

ちゃんと準備しておかなくてはいけない。」

平松さんは、それは違うと頭を振る。「人生とは宙ぶらりんの

状態なのだ。」「何事か起きればあたふたとするのが人生なのだ。」

あたふたしない人生など面白くもなんともないの言葉は、全くその通り。

インターネットで調べて時間決めてコース決めてスケジュール通りに

動いたら、それはただ確認のためだけの旅になります。行き当たり

ばったりの列車に飛び乗り気の向いたところで、降りてみて駅前の

繁華街の裏通りを当てもなくぶらつく。そんな一人旅を好む性分の

私ですが、平松さんは本の中でそのような旅をされているように思います。

だから流れに緩急があり、気持ちも思い入れたっぷりに弾みます。

川で子供がおぼれていたら後先考えずに水に飛び込む。通りの庭に

咲く花を虚心に眺める。何事かが起きたらその何事かに純粋無垢の

真っ新な気持ちでのめり込む。ドキドキ、おたおたで何が悪いのだ。

理性的で精妙な本読みから見たら平松さんの読書は野蛮ということ

なのでしょうが、私は大好きです。こういう気持ちは。

愛妻の野蛮な弁当。  それもちょっとだし。

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