モノクロ写真

2012 年 12 月 1 日

尾仲浩二氏のモノクロ写真集 「slow boat」

モノクロ写真の製版技術で四苦八苦しております。

家からモノクロ写真集を持って来て、それぞれどのような製版を

しているのか、100倍のルーペで毎晩研究しております。

尾仲さんのslow boatは凸版さん専門家チームが特別に

製版したもので、独特の製版をしています。墨とグレーの

2色刷りです。日本の田舎町のノスタルジックな雰囲気を

独特な空気感に作り上げています。晴れている空にシャドウが

入っているのに道路の縁石は真っ白なハイライト。

全体的に中間から明るい部分にたくさんグレーが入っています。

でもとても効果的に時代のざらつきのようなものが出ています。

これこそ、印刷屋の仕事だと思います。

実は現在モノクロ製版の校正を見ていただいてから仕事をお受け

するかどうかの試験を受けることになっております。

会社の書棚にこの本が好きで飾ってあるのですが、うちに

お出でになる方は森山さんと関係ある方がとても多いようです。

福山えみさんの「月がついてくる」は私のとても好きな写真集の

一つです。すべての写真が塀越し、格子越し、金網越し、必ず

何かの物陰から撮られています。近づくのが怖い異邦人の

ようですが、私には6歳で亡くなった姉のことを想起させます。

そして人が誰も写っていない。これはひょっとして私かもしれ

ませんが、とにかく向こうが怖いのか、懐かしいのか、この距離が

とてももどかしいのですが、気持ちを小さく揺さぶります。

鈴木様 パラレリズモ

2012 年 11 月 29 日

イニュニックで印刷させていただいた鈴木様の写真集。

「パラレリズモ」 1軒1軒正面から撮った写真を合成して

連続した街並みにすることによりパノラマ的に見ることが出来、

連続した記憶を一つにまとめることにより、新しいリアリズムを

作り出すことに成功しています。

この原稿を拝見した時は、少し興奮しました。

10月のNational Geographic日本版で紹介されてから

いろんなメディアで取り上げられているそうです。

明日11月30日朝、テレビ朝日 やじうまテレビ 朝刊プラスアングル

朝、7:50~8:00の間で紹介されるそうです。

これを機会にぜひ増刷になればと期待しております。

bizhub press C8000 始動

2012 年 11 月 14 日

いよいよ本格始動です。印刷とほとんど変わらない高精細出力。

毎年この時期に印刷を承っておりますお客様のカレンダー印刷。

仕上がりがとてもきれいです。納品が楽しみです。

機能もいろいろついています。ページ単位で色調補正。

全体で明るさ調整。色鮮やかな専用トナー。

ただマイナス面もございます。レザックやマーメイドの仕上がりに

ムラが出ます。電圧を上げたりいろいろと試しているのですが、

でこぼこの多い紙は、C8000では難しいかもしれません。

この機械はアート紙、コート紙、マットコート紙で威力を発揮します。

私の中では絶対抑えたい紙、ラフ書籍用紙、H3組(ヴァンヌーボ、

MR.B、OKミューズガリバーなど)は、きれいに出てくれなければ

困るのですが、OKアドニスラフをさっき出力しているのを見ましたが

まあまあ問題なく印刷されているようです。プロが要求するパフォー

マンスにお答えするオンデマンド印刷マシーンです。

江戸木遣りと初山獅子舞

2012 年 11 月 7 日


初山獅子舞(川崎)


川崎の矢沢氏に誘われて11月3日の明治神宮参拝。


矢沢さんの地元の初山獅子舞の奉納を見学。江戸前期から続くもの。


振付が地味だからよさこいみたいにもう少し派手にした方が良いのでは


と言いたくなるような地味さ。神事だからそこは変えられないそうです。


この後の後半の余興の部分はいかさま師が出たり、色っぽい動作も


出てきたりするのですが、舞っているのが中学生なのでとても嫌がり


後半部分の伝承は風前のともしびだそうです。

江戸木遣り 奉納

総勢200人位の鳶の人たち。低く静かに木遣り唄を吟じ

ながらそぞろ歩く。

半纏の袖から出た腕に目をやりましたが、入れ墨は見えなかった。

その前の週に新宿のオペラシティで行われていた「写真力 篠山紀信展」

で印象的だったのが、豊島園のプールの写真。プールの全景を撮っている

のですがそこに蠢く若い男女の欲望が見事に写し取られている。

そしてその横に展示してあったのがオドロオドロシイ全身刺青の男たち。

鳶の人たちか、やくざの人たちか、趣味の人たちかは不明ですが、その

写真を見ながら、17歳のころの強烈な記憶を思い出していました。

君津の新日鉄の溶鉱炉の現場でアルバイトしていたとき、隣の飯場にいた

鳶の人たちと仕事上がりの風呂に入ったことがあります。全部で30人ぐらい

人たちだったけど、ほとんど全員が、二の腕から足首まで全身に刺青を

入れているのです。銭湯ぐらいの大きさの風呂にびっしりそんな人たちばかり。

私は、間違えて入ったのだと思いますが、頭がくらくらするような強烈な体験

でした。風呂に入る前にその方たちを見たときはずいぶん精悍な雰囲気を

漂わせた会社だなと思っていたのです。昔は鳶の人たちは普通に刺青を

入れていたのでしょうが、今はほとんどいれていないような気がします。

橋本さんが東京の公務員に刺青検査したらどうなるのか?大阪の件で

東京の人たちはひやひやしていたのかどうかは判りませんが、やはりもう

無くなっていく文化なのでしょうね。

「山の日」 

2012 年 10 月 4 日

はじめに山ありき。

雲が山にあたり雨が降り森ができる。

森が集めた水が川になり生き物が集まる。

山は空に伸びた井戸だと思います。

命がわき出る源です。

6月の第一日曜日を山の日にして祝日にしようと云う動きが

あるようです。梅雨入り前の6月の第一週は、緑が鮮やかで

森の息吹も濃く深い。暑くもなく寒くもなく、爽やかな風が吹いて

山を楽しむには絶好の季節です。

「山の日」出来たら良いですね。   by 山住

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