トンチが効いてない
2013 年 11 月 29 日別役実さんの「道具づくし」は、大好きな本でした。
こういうとんち話が大好きな私ですが、今日新聞に載った別役さんの近影は
私の中のイメージを見事にひっくり返すもので、何だってこんな悪人顔に
なっちゃたんだろうと吃驚たまげたのでした。
少し前に、内田百閒先生の芸術院会員を辞退する文章を新聞で読んでいて
それは、こんな風です。「辞退申シタイ、何故カ、芸術院トイウ会ニハイルノガ
イヤナノデス 気ガ進マナイカラ、ナゼ気ガ進マナイカ、イヤダカラ、右ノ範囲内
ノ繰リ返シダケデオスマセ下サイ。」
今からでも遅くないです別役先生、トンチ効かせてください。
秘密法
2013 年 11 月 27 日新聞に保護法の修正案が出てたのでぼんやり眺めていたのですが、
ちょっと目についたのが「六.飲酒についての節度に関する事項」
あれあれ、そんなことまで取り締まるのでしょうか?ちょっと慌てたの
です。鼻が赤い私は隠し通すことが出来ません。
自慢じゃないが飲酒に関する節度では、人後に落ちるものじゃありません。
「こりゃ大変だ。」と、全文読んでみました。
安全保障や日米相互防衛協定についての秘密は口外したらいけない。
しかし、飲酒の節度というのはこの秘密を取り扱う者の適性というところに
ついている項目で、節度ある飲酒が出来ないものにこれらの秘密を取扱い
させてはならないということのようなのですが、ここの文章ははっきり言って
理解できないです。言葉の迷路のようになっています。第5章の一、特定
有害活動 ・・・・・・。この条文そのものが秘密ですね。
しかし、酔っぱらうと秘密は喋りたくなりますよね。
つまり、私は端からその資格さえないということですね。
「この赤鼻が目に入らぬかぁ」
日本のスノーでんとか原発ホワイトアウトとかを抑え込みたいのですね。
ネットの言いたい放題を取り締まりたいのですね。心配事を見えないように
すれば安心です。不幸なことも気づかなければ幸福です。
末期症状じゃないことを祈るばかりです。
ワタシの犬
2013 年 11 月 26 日昭和の犬
2013 年 11 月 25 日昭和という時代は、面白かっただろうか?苦しかっただろうか?
それぞれの家庭によって、その起きたことによってそれは様々で
あると思います。それらの様々を含めて面白かったか、苦しかったか?
犬が癒しの相棒として、その家の宿痾を鎮めてくれるということもあります。
戦後10年たってからシベリアから帰ってきた父親は、ある意味壊れていた。
そして壊れた父親を中心にその家は昭和という時代を生きて行く。主人公の
娘は、父親が起こす激昂を割れるといいます。ある意味感情のタガが外れるの
です。いつもびくびくしながら、その家から逃げることばかり考え続ける。
その娘の心を唯一慰めてくれるのが犬です。ワタシは、犬と娘の関係をその
まま、父と娘の支配と隷属という関係と同じ構図で見ていました。ただ親と
子供の関係がそんな単純な一方通行で行かないところが恐ろしいところで、
父親の精神的な歪みというのは子にも乗り移ります。真面目にキッチリコピー
します。表層的に娘も割れるということではありません。もっと心の奥深い傷を
コピーしてしまうのだと思います。どこの家にもある普通のエピソードをつないで
いくような家族の歴史ですが、明らかに普通ではありません。それがあの昭和
という時代なのだと思います。シベリアからノモンハンから南方から南京から
沖縄から心に大きな傷を負ってみんな帰ってきた。帰国して普通の生活に
戻ってすべて忘れてバリバリやって行けたのでしょうか?人間はそんな単純な
ものでは無いです。ただ黙々と働き続ける事でしか、償えなかったあの時代。
戦後の繁栄はあの時代の証人の方々がもたらしたもの。
支配と隷属としての犬。安らぎと癒しとしての犬。
奥行きのある読み方ができる話だと思いました。