忘れられた人々

2023 年 2 月 22 日

東京都教育委員会は、今年度の卒業式は、マスク着用、国歌、校歌斉唱

なしを決めました。20年の4月にマスクして入学して、3年間マスク

をして授業を受け、23年3月マスクしたまま卒業します。中学生、高

校生、大学生、マスクしたままの顔しか知らないという同窓生もいるの

でしょうね。中学生は特に可哀そうだ。人生で一番重要な3年間を孤立

したまま他者を知らないで自己を確立してしまっている。どうなってし

まうのでしょう?失われた3年間だと思う。同窓会でも顔が解らなくて

幹事が用意したマスクを付けさせて、初めて「おぉ、佐藤クン」となる。

リーマンショックの2008年生まれだとしたら、たかが15年で三つ

の大きな厄災を経験したことになるのですね。マスク取らせてあげよう

よ、ホントに。

ドナルド・バード

2023 年 2 月 21 日

新宿のディスクユニオンでかかっていたのですぐ買いました。恥ずかし

ながらこの人知りませんでした。検索したら中々、すごいトランぺッタ

ーのようです。それで、このアルバムを評価している人はそれほどいな

い。しかししかし、私には新鮮。マイルスともクリフォード・ブラウン

とも違う、久々にガツンと来た。ジャズでは久しぶりです。ハードバッ

プの王道だぁ。ジャズ喫茶を熱狂させると云うのが本当に分かります。

解り易くて聴き易くて、身体の中の細胞がリズムをきざみ出す感じ。

ゆ~きがふる街を~。

2023 年 2 月 10 日

パジャマのまま居間に行っても暖房は入っていなくて部屋は寒いまま。

「寒いんですけど」と云うと「寝ていた格好で布団から出てきたら寒い

に決まっているでしょ!」と雪山に行くような格好の奥さんは、ガス台

の前で鍋を突っついている。「部屋を暖める必要なんかないのよ。寒け

ればコート来たらいいのよ!」と我が家は、雪山生活が始まっています。

家に帰ったらTシャツ姿でくつろぎたい派の私は、どうにも納得が行かな

いのですが、光熱費が高いのだから仕方がない。会社でも使わない電機

は消すようにとお達しを出している当方としては、従わざるを得ない。

朝からニュースでは値上げ、値上げと誰の大便なのか連呼しているので

そんなに言いすぎたら、買い控えになるに決まっている。消費税上げら

れないのでモノの価格を上げれば消費税を上げたのと同じ事、と云えば

その通りなのだが、庶民には買わないという抵抗があることをとんとお

忘れでないですか?と云いたい。このコロナ禍で我が家には食料の備蓄

が結構ある、先月から賞味期限の近づいた鯖缶をいろいろ工夫して食べ

始めています。暖かくなるまでに、一回全て空にしたほうが良いかなと

話始めたところでもあります。社会構造を変える事が緊喫の課題として

色々なアピールが行われています。先ず、法人税を払わない小さな会社

の廃業がコロナ禍からのターゲット。食品衛生法とインボイスで次の中

小に事業の進退を迫り、東京の若者を地方に追い返す。その穴を郊外の

大学を23区内に復活させ、人手不足解消に一役買わせる。春日通りの茗

荷谷駅の隣に中央大学の大きな校舎が出来ているのを見て、箱根駅伝の

中央大学復活にピンときました。東洋大学が白山通りにでかい校舎建て

た時も山の神や設楽兄弟など箱根の常勝校でしたね。「夢のないこと言

うんじゃないよう~」と耳をふさぎたい向きもおありでしょうが・・・。

第一次産業を復活させないと本当に日本は不味い事になる、だからしょ

うがない。地方で農業やりながらテレワークで仕事できる環境は揃い

始めていますよね。百姓という言葉は、生きていくための百の技術を

持っているという意味です。生きていくための装備や材料を買うので

はなくて自ら作っていくと云うのがこれからのライフスタイルだと

思います。服一杯着込んで私自身はもう動けない、動けない程、ここ

でいろんな物を持ちすぎている。動けない奴ほど意地悪なことを言い

募る。動いている人は、それ自体が言葉になっている。

親愛なるレニー

2023 年 2 月 8 日


レナード・バーンスタインと二人の日本人の物語。バーンスタインは

ベートーベンの交響曲を持っている。中学生の時、親がカラヤンのベ

ートーベンをしょっちゅうかけていてその旋律や抑揚は、身体に沁み

込むほど入ってしまっているのだけれど、カラヤンは私にとっては、

普通と云うか基準点見たいもので、もっと違うベートーベンを聴かせ

てくれるのがバーンスタインです。カラヤンとバーンスタインが、当時

強烈なライバルだったと云うのは面白いエピソードでした。

私は、音楽や絵画や写真などは、その作品だけしか見ない。解説や

能書も読まない。もちろん音楽家はその音がすべてで背景はどうでも

良いのですね。それでもバーンスタインが「ウエストサイドストーリ

ー」のサウンドトラックを作曲したと云うのは驚きました。その情報

はあまりにも大きく、聴き方が変わってしまったと云うのも事実です。

この本を読んでいる途中で「マーラー交響曲」買ったのですが、随所

にウエストサイドが入ってくる。この本は、アメリカ議会図書館の舞

台芸術部に残された「バーンスタイン・コレクションの目録」に見い

だされた二人の日本人の手紙から始まります。膨大な量の書簡が残さ

れていた。戦後の日本も絡められて物語は進められていく。愛の人だ

った。博愛の人だった。全身全霊で生きた人だった。日本という国を

常に意識していた人だった。本当に感動の嵐でした。涙と云うのは、

このような昂ぶりの為にあると思わせる人だった。

百貨店

2023 年 2 月 7 日

池袋西武百貨店の1,2,3,4Fにヨドバシカメラが入るという話が

あるそうです。4・5年前、東武百貨店の上のほうに「ニトリ」が入って

少しざわついた事が在ったけど、今は東急ハンズの跡地に入って落ち着

いている。豊島区長が「文化の街池袋が死んでしまう」と云ったそうで

すがそれほどの時代があったのかと云いたい。手塚オサムシと赤塚不二

夫の時代と堤さんが元気な時と自由学園とか、大正の文人がいたという

という根拠を言っているのかもしれないが、40年池袋周辺をうろうろ

してきた人間としましては、左程文化を感じた気はしない。まだ荻窪や

阿佐ヶ谷、高円寺のほうが面白い店が多かった。面白かったけど僕は居

心地の良さはあまり感じなかった。雑多で必死で商売している池袋のほ

うが性に合っていた。だから自分がこんな処と貶してはいるのだけれど、

目白の人たちに言われると「おいちょっと待てよ」と云いたくなる。

まぁ、目白の方々は、そんなことは言わない程上等ですから。

百貨店は、定期的に夫婦二人でよく行きました。買わないのだけどいろ

いろな高級品は見て回った。触れるものはなるべく触ってどの様に作って

いるか調べていた。かみさんは、服飾関係だったので勉強のため、私は

ヨーロッパの技術に興味があった。良い物を見るとやはり審美眼は鍛え

られる。金がなくて見るだけと云うのが良いですね。金が出来て眼が利

かなくなると詰らない物ばかり買うようになる。安いものをネットばか

りで買うと眼は利かなくなりますね。百貨店にも意味はあるのですね。

あっ、そうか、百貨店が文化なのですね。

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