レコードの復活

2017 年 6 月 30 日

ソニーがアナログレコードの生産を開始すると発表がありました。

2・3年前にCDの売り上げをレコードの売り上げが抜いたという報道が

ありました。その時は、レコードが伸びているのではなく、CDが売れなくなった

のだなと思っていました。写真のプレーヤーは5年ぐらい前に買った、マイクロ

精機の中古品。名機の誉れ高かったモノでしたが、安いのを買ってしまって

しょっちゅう壊れて、修理にばかりお金がかかって、今は廃棄処分待ちの状態。

買った当初は、もうCDは要らないなと思っていたのです。しかしいざLPレコード

を買い始めるとお金かかる掛かる。ジャズの中古の名盤は5・6千円当たり前。

プレスティッジなんか1万円近いものもあります。30枚ぐらい買ったところで、

「やめとけ」「よしなさい」と云う内なる声が・・・・。なんとなく買うのやめた

ところで、プレーヤーも壊れたまんまで、また元のCDに戻ったのでした。

それがこの春、またぞろ、アナログレコードへの関心が高まっていたのでした。

それは、テクニクスのSL-1200Gが半値になってSL-1200GRとして発売と

云う広告が出たからでした。朝日に2ページ見開きの全面広告。5月19日に

発売したはずですが、ここでも動けなかった。だって、半値と云っても15万円

ですもの。レコードは、相変わらず5千円以上。そこに、またまた新たな条件が

加わったのです。リビングのCDプレーヤーがまた壊れたのでした。ソニーの

SA-CDプレーヤー。3回目。もう20年ぐらい使っています。それで、今日の

レコードの生産開始です。2009年がレコード販売枚数が10万枚。これは

多分新品で史上最低の枚数です。それが去年の販売枚数が80万枚。

驚異の復活劇です。これも多分団塊の世代なんでしょうが、若い人たちにも

カセットテープの復活やアイワの復活が有ります。全体的にはアナログに

回帰しだした感じもあります。ある意味、逆のシンギュラリティ、人間が人口知能

や機械の限界を見切った瞬間。いくら便利でも、心地好くなかったり、愉しく

ないのだったら必要なものではありません。最近AIの具体的な大きさ、形が

見えてきた感じもありますが、私たちの五感では対応しきれない。多分、AIが

国家になり、法律になり、役人になります。人類はみな平等。ロボットのお巡り

さん。ところでちょっと吃驚しているのは、割と最近の細かい記憶が無いのです。

きれいさっぱり忘れているのです。細部が無くなっている。困りました、記憶無く

なったら、私自身いなくなっちゃう!

山谷佑介さん

2017 年 6 月 29 日

今月のコマーシャル・フォト、山谷佑介さんの特集です。

2番目の写真集からずっと創らせて頂いているので、もう3年ぐらいになりますで

しょうか?ずっと応援してきた写真家です。3年前に注目すべき新人としてすでに

知る人ぞ知る方でしたし、業界では引っ張りだこになっていたので、遅きに失する

感も無きにしも非ずなのですが。写真を見せてもらい紙の提案をして形を決め、

ずっと自費出版で本を作ってきました。途中で始まった、島田さん、沼田さんとの

コラボ「コンタクトハイジン」もいつも刺激的で楽しい本づくりでした。

今回、インタビューで山谷さんの歩いてきた道の片りんを垣間見ることが出来

ました。お父さんの仕事なんですね。話してて、若いのに如何してこんな事まで

知っているのだろうという事は良くありました。私と同じ空気を吸ってきたような

感想がポンポン出るのです。当時の雑誌を見てないと出てこない見方です。

尖っていて、捻りが効いていて、新しいのです。パンキーで壊しながら作って

いるのです。7月14日から世界デビューです。原宿で写真展、写真集販売。

残念ながら、今回のものは出版元と付き合いのある印刷所での制作でしたが、

あれがちゃんと形になるのだったら何処でも良いです。

去年の個展で作品作りのお手伝いしていた時から、大興奮の作品が満を持して

いよいよ完成です。夜のシリーズ、ノワール、放熱と云いましょうか?

明日から展示の作品を創り始めます。

ユーチューバ―の夢

2017 年 6 月 28 日

映画美学校さんの学校案内パンフレット刷りました。

b7トラネクスト86Kg。表紙開けたらいきなり両観音。全20ページ。

アテネ・フランセ文化センターとユーロスペースが設立母体。新しい映画人の

育成と発掘。新進気鋭の現役監督が講師であり、自らカリキュラムを組むこと。

今の小学生のなりたい職業の第一位は、ユーチューバ―だそうです。

自分で映像撮って編集してアップする。世界中の人に観て貰えれば沢山の

お金を稼ぐことが出来ます。今のユーチューブは、さほど編集は、されて

いないし、匿名的で偶然性の高いノンフィクション。閲覧数の多寡が作品の

地位を決めています。1億の予算を掛けてユーチューブにアップする人達は

出てこないでしょうか?もういるでしょうね?それほど沢山のお金じゃないけど

いると思います。今は映像の時代。ひな壇に芸人並べてしゃべくりの番組が

「世界の果てまで行ってQ」に負けてるのは映像力。予算も関係するのでしょう。

この前、シリア戦観るために7:30頃、民放点けたらBSみたいなコマーシャル

ばかりやっていて一部上場企業、スポンサー降りてるんですね。情報バラエティー

では、テレビの映像力が生きていない。テレビ東京もスタジオから出てる。

今の私に体力と度胸があれば、アイガーの北壁単独登攀、ドローン撮影、

人生下り坂親父の涙と汗の奮闘録なんか撮ってユーチューブに上げて

成金余生を過ごしたいのだけど、叶わぬ夢です。

映像は世界共通の言語。黒沢明監督は無声映画出身です。

海外で大ヒットした「7人の侍」は音声が無くても楽しめます。映像で全てを

表現しているからです。だから、逆に我々から見ると過剰、濃すぎる。しかし

絵の意味を知っているからこそ出来る事です。

未来の夢見るユーチューバーの方々へ、映画美学校がお待ちしております。

ヘタフェVSテネリフェ

2017 年 6 月 26 日

テネリフェの一部昇格を掛けた激戦だったけど、ヘタフェの勝ちで

来季も2部残留決定。実力差は歴然とありました。少し寝坊してしまい

ヘタフェの3点目が入るところから見始めました。柴崎は後半早々交代。

?????。諦めたか、ケガを恐れてビビったか。案の定後半は、ほとんど

格闘技でけが人続出。残留か昇格かと云うのは、サラリーに雲泥の差がある

のでしょう?両者命がけです。特にテネリフェの選手のアップが良い。

明らかにヘタフェの選手の方が上手い。テネリフェにも良い選手いるけど

明らかに下手と云うのもいる。相手が自分より上か下かと云うのは、ある程度

のレベルで戦う者ならすぐに分かります。そんな中、悲壮感もありながら、何が

何でも上に行きたい気持ち、パスが上手く回らない実力といら立ち。遠のいて

いく、一部昇格。闘志だけはギンギンの眼光。勝者に心理的なドラマは無い、

ナルシスティックな実力の行使があるのみです。敗者にこそ、戦う男の美しさが

浮き出てくる。久々にサッカー面白いなと思いました。

オートメーション・バカ

2017 年 6 月 23 日

ニコラス・G・カー著。2014年の本。一年ぐらい前、買っていたんだけどなん

となく積んどいた本。AI,AIと喧しいので、ロボット、オートメーション、人工

知能について勉強してみました。翻訳物の中では、文章上手くて読みやす

いです。タイトルが少し損しているかもしれません。この人には3バカシリーズ

が在って、第一弾「ネット・バカ」、第二弾がこれで、三番目が「ウェブに夢見る

バカ」の3本立て。関係ないけど、ちぃさい頃、アメリカ喜劇の「3馬鹿大将」が

大好きで見たくて見たくて堪らなくて、家にテレビが無かったけど、嫌がられ

ながら隣の家に上り込んで見させてもらっていました。内容はひどいもので、

今では絶対放映できない差別モノ。隠れファンは多かったはずですが、好き

だったと云うだけで人格疑われるひどい内容です。

労働の機械化は生産性を飛躍的に進化させて来ましたが、人間の能力と

労働そのものを奪ってきました。自動飛行技術はパイロットのスキルを低下

させGPSはイヌイットの帰巣本能を低下させ、自動運転は運転技術を低下

させます。エクセルは経理事務員を不要としネット販売は販売員を不要と

しました。女子の貧困は、パソコンとネットが原因です。3年前、20年ぶり

ぐらいでマニュアル車を買って運転し始めましたが、ハンクラになれるの

に2週間、スピードに合わせたギアを覚えるのに約1か月。オートマ車と

ナビは確実にいろんな能力を私から奪っていました。丸目ヘッドライトの

車(3・40年前の車)の流行は、オリンピックの流れで東京オリンピックの

時代にフォーカスした流行りかなと考えていたのですが、どうも違うようで、

私自身の事を考えても、反ネット、反自動化の流れ、現象ではないかと

考えます。ナビに頼らないで自分の身体を動かしながら運転して、自分の

目で実際の風景を観に行く、聴きに行く。労働や作業の自動化は、我々

人間の生きる意味まで問い直します。頭でっかちで頭だけですべて認識

しても生きていることにならない。労働は思考と忍耐と達成によって初めて

自分自身の存在意義をモノにすることが出来る。それらを端折ったら自分

自身をもそこでは必要ないです。考えると云うことをしないでスマフォに

ばかり頼っていれば多分、若年性認知症が多発する可能性もなくは無い

です。頭は使っていないと劣化していきます。

グローバリズムの行き詰まりとオートメーションの進化は全然関係ない話では

ありません。実際にベトナムに工場を持っていた繊維関係の会社が日本国内に

戻り始めています。向こうでの人件費の高騰もあるようですが、ロボット技術の

進化もあるでしょうし、また高品質化へのシフト、きめ細かいサービスへのシフト

などもこれからの戦略でしょう。労働者が望むと望まざる関係なしに営利企業は、

ただひたすら効率性と利益の最大化を第一に考えます。新しい技術が見つかり

オートメーションになれば人は要らなくなります。派遣社員はロボットが出来る

までの繋ぎに過ぎません。がっぽり稼いでも税金はパナマに云っちゃうんで

すけどね。世界中で人の価値が貶められています。後進国の政治体制を

じっくり育てて自分たちの陣営に組み込む、それがゆくゆく貿易、産業を

発展させるというのが今までの歴史だったのが、人材が購買力にならない

労働力にならないという、大きな価値転換が現在の世界中の荒廃に繋がって

います。難民となって生活できる国に行くしかない。みんなが真実を知る道具を

持ってしまったので資本家は面倒くさいことをやる気にもならないし、ジャスミン

革命やアラブの春を心配するぐらいならロボットの方が良いのかもしれません。

買うお金を待たない人たちばかりでは、ロボットに商品つくらせても意味はあり

ません。行き過ぎたオートメーション化はどこかで壁に当たると思います。

しかし、ロボットの問題よりも人工知能ですね。人間が人間である存在理由。

「人間は考える葦である。」を放棄してしまえば人間では無くなります。

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