アナログの逆襲 紙篇

2019 年 2 月 22 日

紙篇ではお洒落なノート「モレスキン」を軸に紙の有用性を説いています。

アイパッドでイメージの殴り書きをする人はいないと思います。思考する

ときには、手と紙とペンを使います。創造、発想、思索などはとても身体

的な作業です。告白しますとこのイニュ日記を書き始めた12年前、まず

最初に原稿用紙に思いついたことをダァーと書きなぐりました。それを半

日ぐらい冷まして、推敲に取りかかります。大体3分の1位まで削ります。

それでまた、一日ほったらかしにします。もう一回読んで出しても良いな

と思ったものをまた漢字など調べ書き直してイニュ日記に上げていました。

日記でもなんでもありません。それぐらい自分の表現と云うモノに拘って

いました。今はメールでもなんでも思いついたことをダラダラ書き散らか

しているだけですが。考えれば考えるほど何事でも深くなります。手軽さ

と云う罠がそこに口をあけています。キーボードとモニターの便利さが全

てを軽くしてしまいます。GAFAの社長は封書の手紙は読みますが何千と来

るメールは読まないそうです。

イニュニックの紙の逆襲の切り口は活版印刷です。これで墨+銀+グレーの

3色のトリプルトーンの写真集を造るのが夢です。

国内版の活版名刺のサンプルが上がってきました。次に台湾版と中国版と

韓国版の名刺サンプル作ってアジアに進出です。スマホのカメラは、QRコ

ード見つけただけで直ぐにこのサイトに行っても良いかと聞いてきます。

赤い紙に金で刷った物でも識別しますね。私のは新しいからなのか?

活版とデジを合わせる事の拒否反応そのものが後ろ向き。紙は過去のもの

ではありません。

アナログの逆襲 レコード編

2019 年 2 月 20 日

アナログレコードの音は良いです。2年前に知り合った写真家の藤本さんが

お持ちのレコードプレイヤーシステムが凄いのです。プレイヤーは何処のだ

ったか忘れましたが、アンプはマッキントッシュの真空管アンプ、スピーカ

ーは、イギリスのモニターオーディオのちっさいやつ、一つ3万円ぐらいの

だと云っていました。そこから出る音がすんごいのでした。目を瞑るともう

すぐそこで演奏して居る様な音なのでした。すっかり忘れていた、ジャズ喫

茶で聴いていた昔の音を思い出させてくれる物でした。1995年ぐらいまでは

レコードプレイヤー持っていたのです。CDが出てその便利さに見事に飛びつ

いたは良いが見事にこけたのでした。レコードが売れています。買っている

のが25歳以下の人達。デジタルネイティブと云われている若者です。去年

テクニクスのプレイヤーを買って聴いていますが、音は良いです。25分で

立ってひっくり返しに行くのが少し面倒ですが、それも味ですね。身体で聴

いている感じがします。テオドール・クルレンツィスのレコード盤、悲愴が

欲しいのですが殆んど無いですね。懐かしさと云うより具体的な体に感じる

音の良さですね。ノスタルジックではないです。あるミキサーの証言。

デビッド・ボウイの「ジギースターダスト」の最後の曲。ボウイは涙を流し

ながら歌っていて、声も震えていたそうです。デジタルの音響エンジニアは

その震えを修正するだろうとの事。しかしそのあとベルリンに移り住んだボ

ウイとブライアンイーノは、あのテクノを予感させる「LOW」を出すのです

ね。あの時ドイツにはクラフトワークが居て、あそこから私はデジタルっぽ

い物に一気に傾斜していくのでした。それでも音はずっとレコードで聴いて

いました。

食べる通信

2019 年 2 月 15 日

昨日の夜、テレビ東京のカンブリア宮殿に我らが高橋編集長が出演しま

した。村上龍先生は、閻魔大王にそっくりです。割と毒舌で宮殿に登壇

する経営者達の賞罰を断じます。その閻魔大王に果敢に挑んだのが高橋

編集長。ふてぶてしいまでに吠えまくり、ぐうの根も出ない閻魔大王。

秘書の小池君は艶っぽい媚を振りながらとりなしていました。小池君は

強い男が好きなのかもしれませんが。それでも閻魔大王は大人です。海

千山千の経営者を断じて来た天秤棒、最後は上手く纏めて鉾を収めたの

でした。喧嘩腰に熱くなるのは、それだけ一次産業の現場の衰退を直に

見てきたせいです。現場を知らない閻魔が何をほざくかと云う目で我々

だって見ていたのです。映像の中で奈良の福吉さんや福岡の梶原さんも

映っていましたね。さて今回の奈良食べる通信は、「大鉄砲」と云う在

来の品種の大豆で作った豆腐の物語りでした。甲子園球児から豆腐屋丁

子、面白いお話しでした。我が家の婆さんが得度出家した尼さんだった

ので、肉や魚を食べる習慣があまり無く殆んど毎日、大豆から出来たも

のを食べていました。豆腐、厚揚げ、納豆、ガンモドキ、油揚げ、そう

こうするうちにおっかさんは、豆腐屋にパートに出かけるようになって、

ラインナップに豆乳も入ってきました。市販の豆乳が売り出される遥か

前から我が家では豆乳を飲んでいたのです。給料とは別に余り物の豆腐

などを持って帰るようになり、私は殆んど豆腐で育ったようなものです。

還暦オヤジが蕎麦打ちを始めると云うのは、良くあるお話ですが、豆腐

作りを趣味にしたいぐらい、豆腐が好きです。

これが人間か プリーモ・レーヴィ

2019 年 2 月 12 日

副題にアウシュビッツは終わらないと書いてあります。

去年の暮れから読み始めて先週やっと読み終わりました。イタリアの

ユダヤ人で優秀な大学を卒業したばかりの24・5歳で戦争末期のアウ

シュビッツを1年間生き延びた記録です。この人は解放後すぐに書き始

めています。悉く出版を断られています。イタリアの中枢も係わってい

たのかも知れませんね。私も途中で放り投げていました。なんで私はこ

のような物ばかりを読みたがるのだろう。日本軍の南方戦線、シベリア

抑留、ひょっとして私は、このような記録をサスペンス・ミステリーと

して読んでいるのでは無いかと云う、自分自身に対する疑念に囚われて

しまいました。面白がってはいないのでそう云う事は無いでしょうが。

この人も最後は自殺しています。ネット観察と監視カメラの現在が身体

拘束の無いアウシュビッツだと云えるのか云えないのか?

バック トゥ ザフューチャー

2019 年 2 月 12 日

先週のページは低調なまま幕を閉じ、相変わらず先行きを見いだせないまま

暗い顔つきの関係者が額を寄せ合います。しかし、印刷関連ばかりかと云え

ばそうでも無く、あらゆる業種が行く末を案じています。労働力不足と云っ

ても実際の話、しっかり未来を見据えた人たちは、家に閉じ籠って次のゾゾ

を探しているわけで、まだ稼げていないのでただ単にニートと云われている

だけだと思います。印刷業は20年前位から終わると云われていましたが、

今や、5年ぐらい前に希望職種10位ぐらいに入っていた銀行が青くなって

居る様な状況です。まだ印刷業は紙と云うブツと五感で感じる身体が残って

いるだけ、まだましな方でしょう。イニュニックの活版印刷の未来形とは、

どの様な物でしょうか?今の所思いついているのは、活版名刺にQRコードを

入れるというアイデア位なものですが、先達のサイトがやってないのでまぁ

まぁ新しい。先週のパチュリ―も含めて紙と五感と云う切り口で印刷の未来

を探し続けます。

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