お袖をつかんで
2020 年 1 月 24 日浅草の浄土宗光照院住職の吉水さんの本です。去年11月にやはり浄土宗
住職の金田さんとお見えになって本の印刷のご依頼を頂きました。今回は
その本の増刷です。去年お出でになられたとき吉水さんは、とても良い雰
囲気を纏って居られました。それでその時の納品は、私が車を運転してお
持ちしました。簡素だけどさっぱりした良いお寺でした。もう一ヶ月以上
パラパラと読み進めています。若い僧侶の心の修養が書き綴られています。
浅草の浄土宗光照院住職の吉水さんの本です。去年11月にやはり浄土宗
住職の金田さんとお見えになって本の印刷のご依頼を頂きました。今回は
その本の増刷です。去年お出でになられたとき吉水さんは、とても良い雰
囲気を纏って居られました。それでその時の納品は、私が車を運転してお
持ちしました。簡素だけどさっぱりした良いお寺でした。もう一ヶ月以上
パラパラと読み進めています。若い僧侶の心の修養が書き綴られています。
高野山の宿坊、總持院に泊まったのは、義母が亡くなった翌年の夏でし
た。妻の実家は真言宗で親戚の皆で泊まりました。宿坊と云うから質素
なところで、簡素な食事が出て、おつとめに付き合うのかなと思ってい
ましたが、總持院の中は高級ホテル並みの近代的な造り全て洋式で、柔
らかいベッドで快適なエアコン付です。全国精進料理コンテストでいつ
も優勝するぐらいの腕前で、野菜の材料となる肉もどき、鰻もどき、か
ら揚げもどきは、本当に説明されなければ判らないぐらいの美味しさで
した。お膳を出してくれるのはお坊さんです。美味しかったけどここま
で肉や美食に対する執着は、仏の教えから一番遠いと思っていましたが
滔々と話す料理の説明を聞いていてそんなことは露とも考えていない様
でした。最近いろんなところで、代用肉やヴィーガンの記事を目にする
様になりました。牛のげっぷの話や世界大豆戦争やらブラジル森林火災
は、大豆畑を作るための放火だと云う話。人口急増を考えれば大豆はこ
れからの地球を救う大事な食材です。オーストラリアの火災も大豆関係
でしょうか。何億と云うコアラやカンガルーは、大豆の為に殺されたの?
中国は、豚コレラとアメリカ産大豆の関税上げで大打撃です。
私が創業した30年前、やはりアメリカ産大豆が余って植物性大豆イン
キを造って環境に優しい印刷と云うのが流行しました。イニュニックも
環境に優しい印刷屋と云う事でファンソンの100%大豆インキを仕入
れて印刷していました。2ポンドで5000円位するのです。普通の墨
インキは1キロ1000円です。やせ我慢しながら刷っていました。そ
のうち谷口インキが大豆インキを開発して売り出しました。これも刷り
にくいインキでした。大豆油は20%も入っていなかったけど。
そうこうするうちに各製紙メイカーが造っている再生紙の古紙の配合率
が出鱈目だと云うのがばれて、私はブチ切れました。その時から、環境
に優しいと云う印刷屋と云う看板は下ろしています。植物由来のインキ
や再生紙は使いますが殊更、地球にやさしいとかサスナブルとか云うの
は避けています。地球温暖化や牛が世界中の穀物の半分を食べている事
や人口が70億から100億になったら?動物の命?地球の命?じゃぁ
人間の命は?土地の個人私有、国境の問題、地球政府に行かないで世界
は又閉じようとしている。享楽的な生活は人それぞれだからどの様に生
きてもそれは自由です。でもただのファッションでは違うと思います。
30年前の大豆油インキだけじゃないのです。20代の頃、ベジタリア
ンを気取っていた事も在るのですよ。貧乏な頃は厚揚げでカレーを作っ
てましたが充分美味しいです。今は、年取って精を出さなければいけな
いので(仕事の為ですから)毎日のように何らかの肉を食っています。
代用肉ねェ。野菜生活は持って大体半年です。性格がだんだん羊の様に
おとなしくなりますね。でも時々、何か無性にオオカミに成りたくなる
んですよ。
しっとりぬめぬめな、NTスフールやプライク、パチカなどは、好きな
紙ですが、これにザラを組み合わせて、裏表で全く違う質感を出す感じ
と云うのはどうでしょうと昨日の装幀会議で緊急動議が在りました。
ザラと云えばキュリアスマターです。サメ肌の様な質感です。ポテトチ
ップスを作る時に出るのかどうかは、判りませんがジャガイモの澱粉を
使います。皮についている澱粉ですの環境にも優しい材料です。発色の
良い顔料系の色素と澱粉で紙をコーティングします。ご丁寧に六つの紙
の種類の名前は、ジャガイモの品種の名前を一部使っています。デジタ
ルが視覚で来るなら我々紙は触感です。ついでにポテトの香りが在れば
申し分ないですね。
本日の朝日新聞の「天声人語」とそのすぐ下の「アサヒカメラ」の広告
昨日のイニュ日記と連動するような記事になっていますね。有り難い事
です。原民喜は今こそ読まれる本だと思います。小さな儚い命、生の煌
めき、淡い輝き。イニュニック(命)は、全ての命と創造が輝く瞬間を
とても大切にしています。一期一会。
昨日のセンター試験の国語に原民喜の問題が出たそうです。今朝の朝礼で
知らされました。去年は青山学院大学の入試で使われましたが、今年はセ
ンター試験です。50万人の受験生が原民喜を知った訳です。それは取り
も直さず何百万人もの未来の受験生の必須読本になった訳で、イニュニッ
クの「原民喜童話集」も末席に連なります。
今日発売のアサヒカメラ2月号。
尾仲さんのインタビュー
ヴォイズ東京の鈴木さん達。
イニュニックの紹介記事。