ドイツⅡ
2016 年 6 月 13 日 月曜日DRUPA2016の会場でもそうでしたけど、ドイツの人たちは携帯持っていないの
では無いかと思います。煙草は良く喫います。そこら中歩きたばこしてますが、
外で携帯やスマホみている人がいないのです。ゼロではありません。人が一杯
いるところで4・5人ぐらいかなと云う感じです。すれ違う時にしっかり、相手の人間を
意識して、それなりの気配を送ってくれます。目があったらちゃんと挨拶してくれます。
ちゃんと社会が生きているなと思いました。昔、10年ほど前、アイポッドに音楽入れて
耳栓で聞きながら街を歩くというのを始めるとき、少し躊躇したのを、いえどちらかと
云うと悩んだのを思い出します。これって社会に対して蓋をして閉じ籠るという事で、
良く無い事ではないかと考えたのです。その時は、親が死んだばかりでほんとに貝の
ように閉じ籠っていたかった。耳栓して、ただ街をほっつき歩いていたかった。
それから、日本はアイポッドの隆盛と同時に携帯が一般的になり、5年前の震災から
スマフォが普及していきました。いまは、電車に乗ると95%ぐらいの人がスマフォを
覗き込んでいます。何が違うんだろうと思います。ドイツも日本と同じように同調圧力の
強い社会です。800年間、320の部族が繰り返し繰り返しずっと戦争をし続けて来て
日本と同じ1870年にやっと纏まって一つの国になったところです。日本では明治維新
ですね。戦いに長けてる国民が自信を持つようになって世界と戦いを始めます。
一回負けたけど、80年ぐらい前からまた始めます。そしてコテンパンにやられて国土の
95%を焼失したのに、また昔と同じような家並みを再現します。しかし再現したのは
家並みだけで、戦争に対する気持ちは厳に封印したのでしょう。リアルな人との触れ
合いをとても大切にしているように見えます。アメリカがメルケルさんの電話を盗聴して
いたので国民も用心しているのかもしれない。2011年6月に出されたWHO(国際保
健機関)携帯電話がレベル3の発がん性有害物質に指定されたので、用心して使わ
ない様にしているのかもしれません。日本では放射能の心配で携帯の発がん性など
気にも留めなかったせいかもしれません。ネットやスマフォと云うのはファシズムを
生みやすい道具です。正義と怒りが結び合ったら一気に一色に染まります。言葉と
思念だけでは暴走しやすい。そこには身体が無いからです。身体的な感覚が無い
世界ほど怖いものは無いです。まともな宗教は、そこが判っているので身体的な
縛りを加えます。身体的な縛りが無い宗教は、過激な思想を生みやすい。
暴力とファシズムに親和的なドイツはネットやスマフォの危険性を知っているの
かもしれません。
ドイツデュッセルドルフ印刷関連機材展
2016 年 6 月 8 日 水曜日ルネサンス3大発明、羅針盤、火薬、活版印刷機の印刷機を発明したグーテンベルク。
1450年のここから世界は大きく動いて行ったのです。ドイツのマインツの人です。
4年に一度の印刷機材展は、ドイツのドルッパ、アメリカのプリント、イギリスのアイ
ペックス、日本のアイガスが一年ごとに4年周期で開催されていきますが、なには
ともあれ、新しい革新の印刷技術が投入され、お披露目されるのはこのドイツの
ドルッパなのです。今年から4年に一度が3年に一度になるというふれこみでした。
オンデマンド機のサイクルが3年ぐらいだからです。しかし、本日の最新情報に
よりますともう早速、元の4年サイクルに戻るようです。
今年の特徴は、ずばり「大型デジタル印刷機」です。
イスラエルの「Landa S10 B1デジタル枚葉機」 シート送り装置はコモリさん。
ヘッドはLanda製。10000回転でバリアブルで7色印刷。バリアブル印刷とは絵柄が
変わるという事ですので、一枚、一枚違う絵柄を10000回転の高速スピードで出して
きます。なるほど7色は綺麗です。早いし可変だし、だけどこの需要はあるのでしょうか?
いくらするのでしょうか?2億、3億するであろうこの機械が24時間動き続けてくれるの
でしょうか?6月6日の情報では、実演展示はもうすでに行っていなくて、3台とも
売れてしまったから、実演は出来ませんと云うような形で誤魔化しているようですが、
私は故障しているとみています。必死で夜中に修理しているのでしょう。
オンデマンド機の脆弱性はこの10年間悩まされ続けたイニュニックの確固たる
経験です。A3ですぐ不具合が出るのにB1で1か月、24時間動き続けるわけが無い。
しかし、この方向性は間違いはないと思います。しかしこの機械が完成するまでには
情報伝達の方法は、大きく変わっているでしょう。私はまだオフセット印刷機を買います。
会場で若い人たちに人気を博していた機械、活版活字の鋳造機。
ハイデルベルク 古本
2016 年 6 月 7 日 火曜日ハイデルベルクの古書店で見つけたイェンス・レーンの本。
「Das neue bestiarium」 新ドイツ文学動物寓話集 1960年ごろの物。
最初の限定自費出版もの 242/500 25ユーロ 活版印刷 袋綴じ並製本
レジで親父と美人店員に親指立てられて褒められる。これはサイン付きだぞ、だって。
下はかみさんが見つけたビールの本。5ユーロ。(600円)
瓶ビールに見えますが、ちゃんとした本です。ツアーのみんなに見せたら
「面白い物見つけましたね」と褒められる。お土産にするつもりだったのにかみさん、
俄然惜しくなったのか、「これは私のよ」と云い始める。
これが悪夢の出国審査につながるとも知らないで。
drupa会場のデュッセルドルフでは、6月2日にテロ未遂がありました。
帰国日の6月4日にも駅でテロかなんかあったみたいです。
駅が封鎖されたそうですので。日本人がらみのテロ関係は報道されないので
よく分かりません。それで当然、出国審査は厳しい訳です。
ワイシャツの縫い目を手で触られます。大きなアフリカ系の人に抱きしめられるように
体中をチェックされます。ズボンの中に少し指を入れられてベルトの中の縫い目を
丁寧になぞり、私は無事放免となりました。進行方向にはライフルの引き金に指を掛けた
ポリスがじっと私を見ています。するとそこへ、違うレーンで手荷物検査を受けていた
かみさんが大きな声で呼んできました。何か引っかかったようです。紙袋の一つを
乱暴にあけられています。そこで出てきたのがあの「ビールの本」でした。
X線検査チェックの係官にビールの本を振りかざして「しっかり見ろよ」とかなんとか
云っています。でも一瞬の緊張から解けたみんなの顔はしっかり笑っていて、
またまた、みんなに親指立てられて、「グッド」などと云われてドイツを後にしたのでした。