SLOUGH

2013 年 8 月 29 日 木曜日

家の玄関の花台には大きなガラスの花瓶が置いてあるのですが、

中に入れてあるのは、すりきり一杯のセミの抜け殻です。

空蝉が約300体。初めて訪れる宅急便の兄さんの伝票を受け取る

顔には、微かな薄ら笑いが浮かんでいます。

これは、一体一体、コツコツ集めたものではなく、千葉のかみさんの

友人の実家、「青山梨園」で大人どりしたもの。梨狩りに誘われて

梨狩りしないでセミの抜け殻狩り。

カミさんの友人や甥や姪からは「たかし君、ちょっと変わっている」と

云われています。

池上さんの写真集「SLOUGH」 この何とも言えない空虚な感じは

何だろうと思いながら、相談に乗っていたのです。「SLOUGH」の意味

さえ知らないままに。    沼地、泥道、スラッジ、かさぶた、泥沼、

抜け殻、ぬかるみ、湿地、壊死組織、痂皮。

北海道の宗谷岬から鹿児島の佐多岬までの日本縦断の一本道。

いろんなぬかるみ、抜け殻、かさぶたが掬い取られています。

ある意味の暗示でもありますが、これが日常風景になっていくので

しょうね。繁華街より墓地が好きな私としてはこの寂しさは嫌いじゃない。

池上諭  「SLOUGH」  写真展

2913年8月30日(金)から9月9日(月)

新宿のコニカミノルタプラザ ギャラリーB にて

新宿区新宿3-26-11 (新宿高野ビル4F)

10:30~19:00  入場料無料

宮島

2013 年 8 月 23 日 金曜日

宮島競艇

女性が横たわっているように見えるからここを祀ったそうです。

引き潮の時は鳥居まで地続きになるそうです。

宮島の鹿はエサをもらえないので、海でもエサを漁っています。

でも時々、チュッ。

ナイトクルージング。

疾走

2013 年 8 月 22 日 木曜日

塩飽の船は速い。  速い。

塩飽 本島 老人と海

2013 年 8 月 22 日 木曜日

岬を周る坂道の途中、林の切れ目から見えた浜辺。

浜辺にたたずむ爺さま。 夕方、風もなく 気温30度。

飽きるほど潮風に吹かれてきたはずでしょうに・・・・。

何を思うのかな? あの橋立てたのかな?あの橋立てていたとき

誰か死んだのかな?あの橋のせいで生活が立たなくなったのかな?

ずっと座って 海見てた。

北岳

2013 年 8 月 10 日 土曜日

友人より電話あり。息子が北岳登頂を計画しているところで、何か

アドバイスをしてやってほしいとの事。22歳の大学生がアドバイスも

何も、ちゃんとした装備と体力と的確な判断力があれば、何も難しい

ことはないよと答えたのですが、いろいろ細かいことを話していると何の

事はない、後唯一テントが無いので、貸してほしいと云うのが結論で、

だったら最初から単刀直入に言ってくれたら、偉そうに長講釈を垂れる

ことも無かった。北岳は日本で2番目に高い山。南アルプスの中心にあり、

みんな異口同音に言うのが夜空の星が素晴らしい、こんなに沢山の星が

輝いているのを見たことが無いというセリフです。北岳の上には特別な星の

磁場があるようで星たちが集まって来るようなのです。(笑い) ・・・。

生まれて初めて (笑い) を使ってしまった。

北岳に登ったのはもう25年ぐらい前です。  2年続けて。

最初の年は土砂降りの雨でした。しっかりカッパ来ていたけど全身ずぶ

ぬれになって体力を消耗してしまったので、白根御池からあっさり下山。

我々のリーダーは高校時代登山部のキャプテンだっただけに、いつも一番

弱い人の調子を見ていて無理だと思ったらすぐ撤退という的確な判断を下し

ます。白馬に上る予定の集合場所に一人バスケットシューズで来た女子が

いて、その時は登山を中止して遠足にしてしまったこともあります。登山部の

仲間はその前身がオフロードバイクのレース仲間でそれほど生真面目な面々

などいなくて、無茶が勲章みたいな連中だったのに皆して一気にバイク降り

ちゃった。自然を少しばかり痛めつけすぎてその反省からかも知れません。

翌年は、梅雨明け1週間後の晴れ晴れの日。気持ちよく去年のリベンジに

皆の心は高ぶります。広河原の手前、午前2時の夜叉神トンネル。電灯の

ない一本の真っ暗な漆黒の筒がどこまでも続きます。時速60キロ。ここで

車の電気を消します。  1秒、2秒、3秒。  「うぉー、やめろぉー。」

ここで全員目をさまし、笑いと歓声と雄叫びが車の中にこだまする。

アー、青春だったのね。

北岳は一般的には八本歯のコルの左俣コース。草すべりから直登する

白根御池コースがあります。大樺沢の左俣コースは、あまり樹木が無く

視界が開けているので、解放感たっぷり。我々は白根御池コースで登って

大樺沢を下るコース。草すべりの急登は周りを樹林帯に囲まれて風が抜け

ない蒸し暑さ。でも山のご褒美は得てしてつらい苦役の後にもたらされます。

あそこが尾根だあそこが尾根だ。裏切られながら一歩一歩を積み重ねて

行くから視界が晴れると嬉しさが一入だし、水も美味い。多分その苦役は

全て夜の満天の星に続いているのです。若者よ、狭き門より入れというのは

少し違うのかも知れませんが、北岳は、汗と苦しさと若さの輝きがそのまま

夜空の向こうで光り輝きます。 北岳の星空は私の生涯百景の中の上位に

君臨しています。

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