マルチスクリーニング
2013 年 5 月 31 日 金曜日マルチスクリーニングとは、同一版面上で複数種のスクリーニングを
配置することを云います。通常は、モアレを防いで中間調の滑らかな
表現と彩度を上げられるFMスクリーンと平網の安定した印刷を表現で
きるAMスクリーンを混在させる、ハイブリッドスクリーニングが一般的
です。
AM,FMそれぞれに長所と短所があります。AMは網点が規則正しく
ならんで網点の大小で色の濃淡を表現しているので、安定した印刷が
出来ます。でもグラデーションの調子が一定では無かったり、モアレが
発生したりすることがあります。FMは金属など鮮やかさを強調する
印刷物などにとても向いております。また、明るい自然の印刷物に
とても向いております。しかし、薄い背景色や平網などが大きな面積を
占める印刷物では、時々薄い白い線などが出てしまい、どうしても解消
できないことが多々ありました。
このハイブリッドスクリーニングは、FM20μとAM250線または、AM
300線で行うのが一般的です。
今回印刷させて頂いたポスターのお仕事でとても面白いパターンが
ございました。カラー印刷なのですが全体はモノトーンです。商品だけ
カラーです。でもあまり色が無い商品ですので、全体はモノトーンに
見えます。全体の写真を100線のAMで、下の小さな商品は175線
のAMです。カラーで100線という粗い線数を使ったことが無かったの
ですが、モノトーン表現でハイコントラストで100線という組み合わせは
なかなかインパクトのある表現になっております。
紙や画像などでチープでインパクトある質感というのは、今皆さんが
目指しておられる方向とは思いますが、スクリーニングでの調整という
のもとても面白い試みだとおもいました。
それから、今回ご指定の中越パルプ「スマッシュ」という用紙がとても
雰囲気が良かった。嵩高の微塗工紙なのですが、なぜかとても
グロス感が出ているのです。