福島の瓶
2011 年 6 月 1 日 水曜日イニュニックの入口に大きなかめが置いてあります。
これは、今年2月の第4日曜日に、雑司ヶ谷鬼子母神の境内で毎月行われている
骨董市で買ったものです。会社の入り口の傘立てが雨の日には、いつもパンパンに
なるので、傘立てがわりに玄関先に置いておけば渋くていいなと思いました。
しかしながら、少し大きすぎて予定していたスペースでは収まりきらず、しょうが
ないので社内に置いて無用の長物となっております。
このカメを買った骨董屋さんは福島の人でした。値段交渉をしたり何に使われて
いた瓶なのか聞いたり、話が面白い人だったので、仙台四郎に話を向けるといろ
いろなことを教えてくれました。
3月11日のその時、私はこのカメのすぐそばのテーブルでお客様と打ち合わせを
していました。後ろの本棚がカメの上に倒れそうになったのでずっと本棚とカメを
支え続けていたのです。今日ぼんやり、このカメを眺めていたら、あの福島の、
話の巧い、人のよさそうな骨董屋さんのことを思い出しました。
家に持って帰って水を入れようかなとも思ったのですが、小さな穴が空いている
らしく、「塞いだけど少し漏れるかも知れないよ。」 と云われたのを思い出しま
した。異常に安かったのです。今頃、何処を旅しているのかと思います。