「盆栽」

2006 年 10 月 17 日 火曜日

年とともに、遊びの好みも変わって来まして、今までは、アウトドア系のスポーツが好きだったのですが、最近は専ら休みの日曜日に鉢植えを作ったり、小品盆栽を賞でる日々であります。

昨日は、樹木医の一次試験に見事合格して、研修を受ける為に東京にやって来た、山本ヒロミさん(友の奥さん)と大宮の盆栽村に行って来ました。「高いお店に行って完成した鉢を買うより、大宮や川口で安い苗を買って、自分で育てるのが、本来の盆栽なのよ」と論されたので、先生に案内して貰い乍ら、ご教授を賜る事となりました。有名な清香園を見学して、鑑賞の仕方、育て方(ここをこう縛って、この枝をこっちに引っ張って、そうしておいて、三年目の7月25日になったら、この枝をばっさり切り落とす。)よく解りませんが、なんとも恐ろしい世界です。彼女の名誉の為に言い添えますと、彼女の方法は専ら自然流で、鉢を傾ける方法で、形を造って行くそうです。

清香園を出て、次のお店へ向かう途中、車の助手席からヨロヨロしながら降りてくるおばあさんに道を尋ねられました。「この辺に新しくできた、ケア施設を御存じありませんか?見学に来たのです。」この辺の地理の事は皆目解らないので、近くの「四季の家」の案内所へ行って事情をはなすと、職員の人は、急いで向かってくれました。おばあさんに地図を示し乍ら教える二人のそばで、運転席の息子らしき人は、どうして降りてこないのだろうと思っていました。車は新潟ナンバーです。おばあさんより息子さんに話した方が、話は早いのですが、息子さんは、凍ったように動かないで前を向いたままです。そのうちに職員の人は、運転席の方へ廻って息子さんに説明し始めました。息子さんが冷たい人でないのは解ります。車を止める場所が少し中央よりで、十分に助手席のドアをあけて降り立つ事ができるように広くとってある。いつもの事で習慣になっているような感じです。でも、疲れ切ってしまっているようです。私は、おばあさんが反対する息子さんを強引に口説き伏せて、今のきつい状況を終わらせようとしているのだと思いました。子どもの幸せを願わない親はいないし、そして今の状況を一番良く解っているのも親なんだと思います。つらい情景でしたが、確かな情愛がそこにはありました。

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