中野薬師寺の「味のマチダヤ」には、月に一回、酒を買いに行きます。
最近はワインとウイスキーが多い。もう40年近く通い続けています。
社長の木村さんは、いつも気持ちよく迎えてくれて、かみさんが居る時
に限って何かと気遣いをしてくれます。今回は古関さんから貰った桃を
おすそ分けしていただきました。木村さんが「古関さん、古関さん」と
云われるのでどなたですかと尋ねると。山形の酒蔵を全国一位にした人
だと教えてくれました。古関敏彦さん。「山形県工業技術センター」山
形県職員。山形酒造組合、山形県産酒スーパーバイザー。十四代の高木
さんに酒づくりのヒントを教えた人です。1994年ここから14代の
快進撃が始まります。秋田の新政酒造の現社長も古関さんに教えを乞う
た人。山形や秋田の酒蔵に惜しみなくノウハウを教えた人なのです。凄
い人なのですね。今は、世界に出ていくために淡麗旨口を目指している
そうです。くどき、十四代、新政、今でこそちゃんとした酒造会社です
が今から30年前は美酒爛漫に桶売りをしていた小さな酒蔵でした。
日本酒と云えば灘、伏見、などの大手酒造メーカーが全国を席捲して
いました。その周りの500石ぐらいの酒蔵は桶でそのまま買って貰い
大手酒造メーカーは、いろいろな酒蔵の原酒を混ぜ合わせ、醸造アルコ
ールを添加して瓶詰めをして売ると云うのが一般的だったのです。古関
さんは、その潮流を何とか変えたい、だってその原酒は大手酒造メーカ
ーの酒より、遥かに美味しいのですから。しかし、それより前に500
石の酒蔵の原酒の美味しさを求めて全国の酒蔵を訪ね歩いた酒屋の店主
が居ました。「味のマチダヤ」の先代の社長です。味のマチダヤさんが
基本的に全国の地酒ブームを作った酒屋さんなんです。ここは良いですよ。
日本酒だけではなく焼酎、ウイスキー、ワイン、安くて美味しいのが揃って
いる。無名の処で安くて美味いと言うものを全社一丸で探している。この
姿勢が好き。木村さんが私に新しい酒を進める時必ず云うのが「ここの若
い杜氏、すごく頑張っているのよ。」と云うセリフ。酒に対する愛があふ
れています。
アイラ島の秘密の酒蔵、ピートの効きすぎ。2600円。
ラフロイグかラガブーリンの失敗作では無いかと云われています。
しかし味の濃厚さは5・6千円の酒とは比較にならないです。
淡麗旨口で飽きが来ない酒。これぞ、ワインと勝負できる酒です。