ターザンの縊死

2021 年 3 月 25 日 木曜日

ターザンごっこがやりたくて山に分け入り、方々塩梅の良い森を探し

回ったのでした。しかし、西播の地には何処にもターザンごっこが出

来る森は無かったのです。アケビの弦はもってこいなのですが上に伸

びているだけで樹から樹へ飛び移る事は出来ない。しょうがないので

鴨居にロープぶら下げてトラ模様のパンツを履いて家でターザンごっ

こをするしかなかったのでした。ターザンが首を括って死んだと云う

話は知らないのですが、ただ、そんな映像が頭に浮かんだのでした。

最近読み終えた本。 「生活の発見」 ローマン・クルツナリック

「見ざる、聞かざる、言わざる」的な生活に沈殿している時は、こう

云う歴史的な教養書と云うのがしっくりきます。ヒントもちりばめら

れている。1963年、ティック・クアン・ドックの描写が衝撃的だ

った。写真は知っていました。経緯は知りませんでした。サイゴンの

通り、セダンに先導された350人の僧侶が通りを歩いて来ました。

セダンから3人の僧侶が下りて来ました。一人は地面にクッションを

置き、もう一人は5ガロン入りのガソリンの容器を持っていた。3人

目の65歳になる仏教指導者ティック・クアン・ドックはクッション

に静かに蓮華座に座った。付き添いにガソリンを掛けられた後、彼は

祈りを唱えた。暫くしてからマッチを擦って僧衣の上に落とした。

ニューヨークタイムズのジャーナリストが写した写真は世界中に届け

られた。焼身自殺を図った一人の僧侶によって政府の信用が失墜し政

権崩壊に繋がった。これは信念についての章で紹介されている話でし

た。生きていく上で信念が大切である事は判りすぎるほど知っている

筈なのに私たちは保身のために易々と捨て去ってしまう。

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