カブトガニの献血

2018 年 5 月 24 日 木曜日

三億年前から生きる化石、三葉虫の子孫。小学校の教科書にシーラカンスと

ともに載っていました。中華鍋を伏せてお玉を尻尾に見立てれば家でもカブ

トガニごっこは出来ます。アメリカのデラウェア州では、カブトガニに献血

をさせているようです。カブトガニには、テトロドトキシンと云う青酸カリ

の850倍の猛毒があります。それ故に三億年もの長き亘り種を長らえて来

たのですが、まさかその血で猛毒を造ろうというのでしょうか?いえいえそ

うではありません。カブトガニの血液には特殊な血球成分が含まれているそ

うで、体内に入った細菌の毒素をゼリーのように固める性質があると云いま

す。無駄に種を永らえて来た訳では無かった。やはりあらゆる種に存在理由

が在るのですね。デラウェアの海岸に白いテントが建ち、沢山並べられたシ

ートの上でカブトガニ達が腰に針を刺されて静かに手を閉じたり開いたりす

る。それぞれの脳裏に三億年と云う時間の感慨を噛み締めている筈です。

毎年、数十万匹が血を抜かれ、中には抜かれすぎてオレンジジュースを

握りしめたまま事切れる者もいるそうですが満足でしょう。生きた化石の

終焉が始まったようですね。すべての生き物は、人間に奉仕すべき宿命なの

ですね。

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