君たちはどう生きるか

2017 年 12 月 15 日 金曜日

2年前の夏だったか、小学6年生になる姪の長女が何の話の

流れだったか、私に「クラスにお風呂に入らへん、汚い女の子が

居るねん。」と云いました。私は、内心「ほう、そういう風に見るのか?」

とその時は何も言わず受け流しました。少し残念でした。大体

誕生日プレゼントは、「モモ」や「飛ぶ教室」や名作と云われた本を

プレゼントしていました。少し話す言葉の端々に内面の成長を感じ

させてくれていたのでしたが・・・・・。東京に帰って岩波文庫版の

「君たちはどう生きるのか」を送りました。それから2年、帰省の度に

何回か会う機会が在ったのですが、なんとなく目線を伏せて私を

避けるふうでした。漢字が多いし少しハードルが高い宿題だったかな

と思い始めていた今年の夏、帰省して田舎でバーベキューをしました。

焼き場でせっせと肉を焼く私の前にどっかと腰を下ろして、キラキラ

光るまなざしで私を見てきました。内心、「おぅ!宿題やったな。」と

思いました。しかし、酔っぱらった親父と中2女子がどう生きるか

なんて出来る話題でも無し、かといって「おぅ、どうした、やっとおっぱい

膨らんできたか」と云うセリフも危ない年頃だし。そんなことがこの夏

あったのでした。

病気だったり、事故だったり、弱さだったり、倒産したりと、子供には

判らない状況で貧乏に落ちていく事なんか、いくらでもあります。

子供には責任なんか無いのです。今この本は、子供より中高年の

大人が買っているそうです。だけど敢えて言いたい「あなたたちは

どう生きて来たのか」 子供の貧乏を助けてやれない社会を作って

しまったのは、私たち大人だ。

 

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