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マリリン・モンロー・ノー・リターン

2013 年 7 月 6 日 土曜日

野坂昭如さんが歌っていた「マリリンモンロー・ノー・リターン」を

小学生のころ、私は間違えて「マリリンモンロー・ノータリーン」と

謳っていました。子どもというのは、なんでも物事を自分の都合の

いいように、又はお好みでインプットします。10年以上前に友人

家族の集まりでグーグルの話をしていたとき、あまり熱心に話す姿に

何を感じたのか子供たちに呼び出されて「よお、グルグルって何なんだ

よう」と難詰されたことがありました。内心、生意気な口利いててもやはり

頭は子供なんだなと思ったものです。

朝、野坂さんの特集の本を読んでたらつらつらそんな事を思い出しており

ました。思春期に一番夢中になったのが、野坂昭如。ニヒリズムや死生観

などとてもしっくりくる、そこから私は一気に無頼派に傾いて行ったように

思います。この方とは、いろんな共通点があります。誕生日が10月10日で

一緒。神戸で暮らしたことがあったり、北九州で暮らしたことがあったり、

そして今は、年に何回かラーメンを食べに行く、永福町に暮らしていること。

戦争のことや飢えのことなどいろいろありますが、圧倒的に影響を受けたのが

やはりその語り口です。影響を受けたというより再認識させられた。基本的に

講談の語り口ではないかと思います。うちの祖母が噺の面白い人でした。

祖母は3歳で両親を亡くし、親戚に引き取られ小さいころから家事の手伝いを

しながら育った人でした。そこのおかみさんが文盲の人で小さなころから、

講談本を朗読させられていたようで、毎晩毎晩読み続けているうちに講談師の

様な語り口を覚えてしまった様で、おかげで我が親族はみんな、話が面白い。

普通の客観的な事実だけを喋る人は誰もいない。一応、話の流れを考えながら

どこかに笑いと泣きを入れなければ気が済まない。野坂さんの発想や文章も

そのような独特な調子を感じさせるけど、でも基本日本の演芸を基調としたもの

ではないかと思います。だから、のりが良い。

マリリンモンローは、とても聡明な女性でありました。

謹んでバカ小学生の私の行いをあまりにも遅い謝罪ではありますが、ここに

お詫びする次第でございます。

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