延安の娘

2013 年 6 月 10 日 月曜日

昨日、ポレポレ東中野で「延安の娘」と「先祖になる」を見ました。

池谷薫さんが監督のドキュメンタリーです。「先祖」を見るつもりだったので

すが時間を勘違いしてしまって、10:30についてしまい2本続けてみること

になりました。久しぶりです。若いころは、6本連続で見たこともあったのです

が、最近は興味が載らないとすぐ居眠りします。少し心配でしたが集中力が

切れることはありませんでした。さて「延安の娘」2002年の作品。中国の文化

大革命の時代、地方に農業の実地体験をするために派遣された北京の若者

達とその後のそれぞれの人生。場所は革命の聖地、延安。何もない山々山の

斜面に開かれた畑。閉ざされた生活の中で生まれた子供。反革命的所業と

責められるのを恐れた若い両親は娘を捨てます。結婚して自ら男の子を儲け、

安定した娘は両親を探します。国家に翻弄されながら、自由に生きることが

叶わなかった人々のそれでも自分自身の生に向かい続けた人間の強さを

謳っております。ポレポレ中が涙だったと思います。でもこの話は娘が27才

だとしたら、1975年頃だと思うので、文化大革命は相当落ち着いた状況

だった思います。私が父から聞いた話は、こんな話ではなかった。文化大

革命では夥しい人々が死んだと云われています。その前の大躍進や反革命

分子粛清などでも凄まじい数の人々が亡くなったようです。中国当局に張り

付かれての撮影はこれぐらいが限度だし、2002年の友好的な雰囲気の

中では、これ以上は踏み込めない話でしょう。

ポレポレに行く前に早朝の富岡八幡骨董市に行っていました。骨董市で

元気なのが中国人バイヤーです。結構な数を買っていくそうです。文化大

革命の折、古い仏像や文化財をほとんど壊してしまった言います。古い文化を

反革命的という考えで断罪したのですね。人は金が貯まり余裕ができると長い

時間に裏打ちされた古い文化財を周りに置き、自分もその恩恵に預かろうと

します。しかし私の古道具集めは、安物ばかりでちっともお宝などありはしま

せん。でも長く大きな時間を感じさせながらその造形に美があるものが私に

とって価値あるものです。でも3000円ぐらい握りしめてうろうろしても碌な

ものに行き当たるはずもなし。

失われた時を求めての骨董市の彷徨い、本日は「時の日」でもありますが、

まだまだ続きます。

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