西村賢太 苦役列車
2011 年 2 月 12 日 土曜日久しぶりの芥川賞。苦役列車、読了。
中学校で野坂にはまり。最近は、百閒、長吉と読み継いできたので
私小説は、好きな部類です。
この世界は、自慢じゃないが知りすぎるほど知っている私です。
十代に似たようなこともやっていました。しかしながら、今のような
社会状況では、こう云う体験は、決して特殊なものではなく、ただここまで
赤裸々に書かれていること、唯一そのことに及第点が与えられただけ
なのかとも思います。
あまりにも綺麗ごとすぎる言説にうんざりし、そういう風潮に掉さす
異議申し立てのような感じがします.
言葉は常に今現在のありのままを正直に写し取る言葉でなければ意味がない、
嘘くさい綺麗ごとだけでは、通用しない状況になり始めている。
苦役列車とは、そういうことなのかと思います。