水石

2010 年 9 月 25 日 土曜日

渋谷上原の一木一草話さんは、豆盆栽を主に扱うお店。

水石や添配、水盤、小品盆栽を飾る諸々の物があります。

初めのころは、豆盆栽を買ったり育てたりしていましたが、

どうしても枯らせてしまいます。失敗するたびに己の無能さを

突き付けられます。最近は、水石ばかり買っています。

基本的に私も嫁はんもけちなんでしょう。けちなもんは、

こう云う趣味には向きません。

上の水石は、行(賢人、僧)と見るのだと思いますが

私には、鳥男です。 依枯地が頭から突き抜けています。

古河栗田商店

2010 年 9 月 23 日 木曜日

チリン、チリン。フランス製のアンティークの自転車ベル。

自転車に着けても鳴らす事はないでしょう。

車のクラクションと同じで、自転車だって歩行者に向かって警告音を

鳴らす権利なんかない。

でも初めて自転車に乗れるようになって、一番うれしかったのは、

このチリンチリンなんですよね。

かみさんは、これを食事の合図にするゆうてますが、私としましては

「ご用意ができました」と呼びに来てくれたほうが嬉しい。

茨城の古河市に自転車の古い部品を売る店があるのを知り訪ねました。

狙いはリアディレーラー。後ろのギアの変速機です。

ヨーロッパの中古の部品がたくさんそろっています。

同じものが沢山あるので、程度の良い物が選べます。カンパかユーレーで

決めようと思っていたのですが、結局買ったのは、全然知らない「ゼウス」

私、ヴィンテージ物の自転車の完成車が売られているのを実際に見たことがなく、

栗田商店で並べられている自転車には、改めて目を洗われる思いです。

ヨーロッパのマニアの人が手放したものが多いだけに、完成度の高さが

違います。歴史と厚みが違う自転車文化の成熟度を垣間見た思いです。

でもやはり基本的に、栗田さんの目であろうと思います。栗田さんは基本的に

自転車乗りではありません。4・5年前まで洋服屋さんだった人です。商店街の

普通の洋服屋さんでしたが、量販店や、セレクトショップやブランド店に押されて

ニッチモサッチもいかない状況になり商売替えを考えていた時、北海道の弟さんに

薦められて始めたとのことです。弟さんが自転車愛好家の方で知識があったに

せよとても巧いニッチの商売だと思います。あまり多くない部品の数とブランドの

数。あとそれにプラス年式。趣味性が高いゆえの商品単価、それからもうひとつ

回転の速さ。風と走る爽快感に憧れて大枚叩いて買ってもすぐ乗らなくなる

親父たち。中古車市場は、これからも狙い目です。モノの価値が違うと思います。

今の自転車は、ほとんどオートメーション化された台湾などの工場で作られて

います。80年代のコルナゴは、イタリアで職人の手によって一つ一つ手作りで

製作されておりました。手作り品は細部への細やかな趣向が違います。

まだグローバリズムの席捲を受けていないローカルな美学が生きていた時代の

証です。栗田さんは、自転車をばらして勉強して、パソコンを覚えてホーム

ページを作り、ヨーロッパからマニア垂涎のヴィンテージ部品と自転車を輸入して

販売をはじめ、今年で3年目だそうです。

栗田さん自転車歴が浅いだけに驕りがない。とても謙虚です。

でも商品チェックは、ちゃんとしてから店頭に置いているようです。

自転車やと云うのは商売人と云うより職人さんみたいなところがあって、

ちょっと客を値踏みするようなところがあります。

だからネットで栗田さんのところのような店が繁盛するのかもしれません。

でも大きな違いは、やはり目利きだと思う。

メカニックとブランドだけで満足している店と違い色や形の完成度の高さを

見る目がないとお話にならない。

この店の中一番輝いていたコルナゴ。40万。トップチューブ59cm。

ほとんど新品。身長が180Cm以上ある人だったら間違いなく買いです。

カンパとコルナゴオリジナルがついています。

ロッシンのフレームの中にブレーキワイヤーが通っていないのが

残念ですが、ハンドルの革のカバーがマニア心をくすぐります。

これも綺麗でした。

紙サンプル帳

2010 年 9 月 17 日 金曜日

銀座のOJI PAPER LIBRARYに行ってまいりました。

銀座三越のすぐ裏。王子製紙本社一階。王子さんてすごいところに

本社があるのですね。

先週お越しいただいたお客様に教えていただきました。

最近は、お客様のほうが新しい紙の情報などよくご存じで、逆に教えていただく

ことも良くあります。前は紙屋の営業の方が新製品が出ると持って来て

くれていたのですが、どうも流れが変わってきているようにも思います。

紙以外の便利なメディアが現れた今、紙はただ単に情報が載る土台と云う

役割以上の働きが求められています。紙の力、温かさ、柔らかさ、そこに

親和性のある情報が載ることによってそこに書かれている以上の情報+αが

伝わっていくのだと思います。

必要なのは、具体的に触れられる紙のサンプルです。

ライブラリーでは、分厚い用紙、印刷サンプルを無料で配布していました。

これは、並製本用の表紙に使えるファンシーペーパーサンプル。

バラになっていますので取扱い易いです。

これは総合見本帳。主に本文用紙が載っております。

3cmの分厚いものです。印刷見本と用紙見本、ニス見本、マットニス見本。

文章見本は、吉田修一さんの「悪人」です。その用紙を使った時の

束幅と用意している紙目の情報も載っています。

印刷所は、あのサンエムカラーさんです。

なぜかOKアドニスラフだけの見本帳。これも厚さ2.5Cm。

通常のアドニスラフにホワイト、ピンク、ブルーのものがあります。

中質の嵩高用紙なのですが、雰囲気があってなかなか良い感じです。

王子さんがこれから力を入れていく用紙なのかなと思います。

神田錦町にある竹尾さんの見本帳本店。

今年の7月に出たGAしずく。GAいぶきは、しずくと同色ですが

葉脈のような模様がはいっています。

竹尾さんで用紙、印刷サンプル帳を買い求めました。

75銘柄の印刷用紙見本。

これも便利です。具体的なサンプルがあるとイメージしやすい。

紙の未来。隠れている紙の潜在力。紙のスペシャリストによる

講演集。

内山書店。20代のころ父上の使いでよくここへ本を買いに来ていました。

巴金とか老舎とかよく解らなかったけど緊張しながら買い求めていました。

昔上海の内山書店では、時計の下だったか柱のところだったか忘れてしまい

ましたがいつも魯迅が座っている椅子があって、京都のおばさんこっそり座って

やろうとチャンスを窺うんだけどいつも内山さんがにらんでいて座れないのよと

おどけていたのを何回か聞いていました。

歴史上の凄い人だと云うのだけ、小学生ながら覚えていたんでしょう。

隣の本屋で買うてしもた車谷長吉さん。

2.3年ぐらい前、下請けで車谷さんの「二人の女」て云う本を200冊ぐらい

作ったことがあって、本の装丁もさながら、パラ読みしたとき、リズムが

なんとも乗れるんで、なんでこんなに波長が合うんやろとずっと気になって

いた人です。この人の新聞の人生相談も好きなんです。

播州の姫路の人やった。私は、西播のほうの相生です。

どちらにしろあまり上品な土地柄ではありません。

Jリーグハード日程、会議紛糾

2010 年 9 月 15 日 水曜日

日本の夏は暑い。来年もどんどこどんどこ暑くなって行くでしょう。

その暑い季節にサッカーをやるのは辛いです。

そこにスケジュールを一杯にして働け働けと云っても、選手は力をセーブする

ことばかり考えるようになると思います。

ユースのレベルではそこそこ活けているのにJリーグに入ったとたんみんな

伸びなくなります。真面目に練習さえもしなくなる。いつもニュースで映るのは、

小さな円陣組んで朗らかに軽いパス回しをしている姿ばかりです。

やはり原因は、春から秋にかけてリーグ戦を行うせいではないでしょうか?

興業の事ばかり考えていると、サッカーはどんどんつまらなくなる。

興業と云えば、ワールドカップの時も感じたのですが、審判の笛。

みんな当たり前のように、審判の笛がゲームをコントロールするなどと

宣いますが、私には勝敗をコントロールしているようにしか見えません。

服掴んだらどこから見てもファールです。タックルだってほとんど分かリます。

水泳なんて水着の生地まで制約するんですよ。

ある程度のファールを許すと云うのは、Jリーグのチームの力の差の均衡を

図ると云う側面もあるかもしれません。しかしサッカーは確実に下手になる。

サッカーくじで莫大な金が動くんだから、そこは公明正大にしないと・・。

あれもこれもと欲張ったら全てが駄目になる。

黙ってスペインリーグやらイギリスのリーグを楽しんでたらええのんやけど

この前のワールドカップでほんの少し、微かではあるがなんか希望みたいな

モノが見えたような気がしたもんですから、調子に乗りました。

銀座の小石

2010 年 9 月 13 日 月曜日

銀座、松屋にて「銀座目利き百貨店」なる催しがあり。

ぶらぶらと行ってまいりました。眼力が問われる職業の方々、

デザイナー、骨董店店主、建築家、プロデューサー、茶道家などの人たちの

フリーマーケットです。

買ったのは「佐藤小石直売所」の小さな丸い石。  525円。

家に帰って、ニヤニヤしながら石を眺めていると、

「銀座くんだりまで行って、小石一つですか?つげ義春の漫画に

石を売ったり買ったりする無能の人っていうのがあったわね。」  だって。 

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