第57回造本装幀コンクール 入賞
2024 年 10 月 1 日「ここにいるよ」
「ここにいるよ」
インドのガンジス川の下流域には、広大なデルタが広がっています。
その南端に浮かぶガンガサガール島を訪ねて25年が過ぎました。
島は聖なるガンジス川が海と出会う場所として、古来より人々の信仰を
集めてきました。打ち寄せる波に身を投げ出し、歓喜の声を上げて海に
祈りを捧げる人々の姿は、まるで海に生まれた生命の記憶が呼び覚まさ
れてゆくような、とても美しい情景でした。
一方、訪問を重ねるたびに見えてきた風景もありました。
それは島の海岸線に刻まれた天災の爪痕です。
サイクロンの通り道にあたるこの地域は、高潮によりこれまで多くの犠
牲者を出してきました。それでも島に暮らす人々は、自然に打ち勝とう
とは考えてこなかったといいます。彼らの自然に対する考え方は、恐ろ
しいから大事にする、というものです。自然にいたずらに抗うのではな
く、それを神格化することで巧みに価値転換をはかってゆく。たとえば
海に飲まれて命を落としたとしても、「母なるガンジス」に還ってゆく
のだから幸せなことだ、とその死を人生最大の至福へと昇華させてゆき
ます。おそらく彼らの胸の内には、自分たちの生命も自然界の一部だと
いう意識が、今もしっかりと息づいているのかもしれません。堅牢な防
潮堤で自然と一線を画すのではなく、生死を内包する大きな自然観によ
って心の安寧を保つ人々。熱帯デルタに生きる人々の姿を通して、人と
自然との関係性をもう一度問い直してみたいと思います。
■会場
OM SYSTEM GALLERY(旧 オリンパスギャラリー東京)
●営業時間 令和6年 9月12日~9月23日
10:00~18:00
火曜・水曜定休、GW・夏季・年末年始の長期休業
●所在地
〒160-0023
東京都新宿区西新宿 1-24-1 エステック情報ビル B1F
電話番号:03-5909-0190
●アクセス
新宿駅西口から徒歩5分
新宿西口地下ロータリー左側の地下道を都庁方面に進む。
地下道上部に「エステック情報ビル」の表示あり。
都営地下鉄大江戸線都庁前駅から徒歩4分
B1出口から地下道を新宿駅方面に進む。地下道上部に
「エステック情報ビル」の表示あり。
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写真集「THE DELTA」H285×W225
上製本 本文モノクロ2色印刷(ダブルトーン)176P
昨今の石の正体がやっと判明しました。「石がある」という映画が
世界的に評判になっているのですね。去年の映画のようですが私は
まだ見ていないです。
杉並区和泉にある「フロットサム・ブックス」の小林さんの企画なの
ですが明日、8月31日(土)イニュニックの打ち合わせルームで「写
真集制作相談室」を行います。個人で写真集を作りたいと思っても何
処に何をもっていけばいいのか解らないというお言葉はよく聞きます。
紙の何を選んでデータをどうすれば良いのか。校正はどうする?画像
補正は、自分でやる?任せる?第一、何処の印刷会社に話をすれば良
いのか?出された見積りは適正なのか?高いのか?汚いのか?下手な
のか?家を建てるのと変わらないぐらい複雑です。それらのご質問に
全てお答えします。何から何までイニュニックでやりますよと云う、
スタンスでは、話しません。完成度が高ければ、それなりに金額は
かかります。それぞれ写真集を沢山作っている会社は、それなりに
取柄を一杯持っています。明日は総勢15人ぐらいお出でです。
上手く行けば、イニュニックの企画として定期的に行う事も考えて
います。印刷相談室では毎回最初の方は基本的な事、喋ってから
それぞれ個別の紙の選択などに移っていくので毎日毎日、同じ事
ばかり話しているのです。一番いいのは「ユーチューブ」で流し
てしまう事なんだと云う事は割とわかっているんだけど。この私
のトークは、非常に重要な私の営業ツールなのでオープンにして
しまうとイニュニックでなくても良くなってしまう。悩ましいです。
2月がアーロン・ブシュネル、7月が中島健郎、そして8月、松岡正剛。
アーロン・ブシュネルは、動画で初めて知った人だけど3か月ぐらい
想い続けた。中島健郎さんはひょうひょうとしたところが好きでずっと
頭の中に居座っていて恋をしたように顔を思い出していた。
松岡正剛さんは、面識は無いけど勝手に師匠と考えていた人だった。
皆、命を惜しんだ人では無いんだけど・・・・。共通しているのは
やることをやる。というタイプが好きみたいですね。