製本会社の窮地

2025 年 3 月 25 日

昨日の朝に大手製本会社、他何社かが倒産というニュースが社内を

駆け巡りました。一つは創業100年の老舗、奥付を見るといつもそ

の名を見ることができる会社です。電子ブックに置き換わったとい

う話も聞かないのでやはり本は読まれなくなっているのでしょう?

先週たまたま、「デザインの引き出し最新号」をネットで買うこと

が出来て、週末読んでいたのですが製本特集でした。あまり変わり

映えしない内容で全体にゴージャスさが消えていて地味な内容でし

た。図書さんが凸版の子会社になってサービスが出来なくなったの

かも知れません。近所の学参物を主に製本している会社の社長は、

前より部数が増えてきたと言っています。昨日の午後、ある製本メ

ーカーの開発部の人たちが工場見学に来てくれてうちの設備を色々

見ていったのですが、やはり相当にお悩みの様です。出版、印刷、

製本を取り巻く業界全体の様相が驚くほどのスピードで変わり始め

ている感じがします。割に合わない給料と仕事の厳しさ、しんどさ。

人件費。単価を上げられない出版事情。頭の痛いことばかり。寅さ

んのタコ社長の時代から経営状況はあまり変わっていないのです。

昔は機能が夢を語ることが出来たので良い機械さえ造れば、いくら

でも売れたのでしょうが、今は機能ではないですね。人間が楽して

儲ける機械は必要ない。人間そのものが生き生きとして生活できる

サムシングエルスが求められている。

オープンファクトリー構想は、ちらほら始めているところがあるよ

うですし、イニュニックの設備を使って解放しようかなと考えている

のですが、ビジネスモデルとして成立しない。完全に私一人になれば

地方の廃校に引っ越して出来なくも無いですけどね。

メーカーさんの新情報があります。今年の秋、超特大PURバインダー

機が出来るようです。

上九一色農産物直売所

2025 年 3 月 20 日

ずっと昔は「道の駅」に行っていました。少し前に「農産物直売所」という

検索を知って良さそうなところに行って新鮮な野菜を買っていました。

しかし大体、バックに「JA」がいて、都内で買う金額と変わらないし、全国

のものが並んでいます。それでも割といいのが新座片山農産物直売所。

JAの中に 入っているようですが農家の人たちだけで運営しているようで驚く

ほど安いです。 しかし数ある農産物直売所の中で最強が「上九一色農産物

直売所」ここは地元の おばちゃんたちだけで運営している。朝採れた物を

9時前と1時前に2回持ってきて 並べています。新鮮なだけではなくてと

ても美味しいのです。その秘密は山に囲まれた 谷あいにあるため、寒暖差

が激しいのがその理由のようです。一昨年のコメが不良だったコシヒカリが

ここの米は驚くほど旨かった。その時は、キロ350円だった。秋になって

新米の時期になって喜び勇んで買いに行ったらキロ500円になっていた。

沢山買うつもりだったのに一人一袋までと言われて、高速代とガソリン代で

とんでもなく高い米代になった。フルーツ王国、山梨の農産物直売所のフル

ーツは要注意です。味見できないですからね。オームのサティアンは九一色

村にありましたが、ここの人たちはみんな素敵なんです。オームと戦った

歴史がここの人たちを強くしたのかもしれない。

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農家のおばちゃんたちが経営する、山あいにあるアットホームな直売所で

す。通年を通しての特産品は地元で使っている、よもぎ畑で採った天然の

よもぎ100%を使用した「よもぎまんじゅう」であります。とても歯ごたえ

があり、よもぎの風味で美味しいです! もうひとつは「くいしきみそ」で

青大豆100%使用し、こちらも地元で採れた 青大豆で農家のおばちゃん達

が丹精こめて造ったものになっていてオススメで あります。さらに上九

ふれあい直売所には軽食コーナーがあり、その中のメ ニューに地元で採

れた食材を使った野菜弁当、かき揚げうどん等があります。 是非一度ご

賞味ください。他にも新鮮な野菜や惣菜等がありますので気軽に 立ち寄

ってみてください。

品目:野菜、果樹、山菜、きのこ、(山菜おこわ、惣菜、漬け物等)

特産品:くいしきみそ、よもぎまんじゅう

409-3712  山梨県甲府市古関町1154-1  中央自動車道甲府南ICから15分

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ザ・ルーム・ネクスト・ドア

2025 年 2 月 12 日

ぽっかり空いた久々の祝日は、映画と外食の為、街に出かけました。

渋谷の街は、相変わらずの観光客で賑っていた。私などは西洋に対

する憧れが強い世代ですが、時代は変わったのかも知れません。確か

に私も西洋に対する見方が違ってきている。映画の候補は「オオカミ

の家」を撮ったチリの監督の「ハイパーボリア人」と「ネクストドア」

かみさんがオオカミの家はもう良いと云うので「ネクストドア」に。

ベネチア国際映画祭で金獅子賞。20分の拍手喝采ですし。しかし私

には、理解できなかった。リアリティが感じられない。AIが造った

本なのかな?CGも使われているのかな?と最後の方は思ったのです。

原作は2013年だからAIは、まだ無いはず。私の感覚が世間とず

れ始めているのか?この辺りの感覚は凄く重要で、こんなにみんなと

違っていたら、私はもう何も喋れない。ショックを感じていたけど、

かみさんも、ハイパーボリア人に行くべきだったと云うので、胸を

なでおろすのですが、「いや待てよ、二人で奇妙な世界に迷い込ん

でいる」可能性もある。年を取ると微妙に感覚がずれて来ますから。

惨たらしく、苦痛に満ちた死をネタに財を成した人が痛いのいやや

と云う風にならないのと違いますやろか?

「透析を止めた日」堀川惠子

2025 年 2 月 10 日


血液透析と腹膜透析。日本の腎臓透析の97%が血液透析です。

腹膜透析は2%ぐらい。こちらの方が楽でお金がかからないのに

業界全体で血液透析を薦めている。1・2年でビルが建つようです。

実際の医療現場がボンボン出てくる。巨大医療ビジネスの闇。

検体と称した、「あとがき」の日付、2024年8月6日。

堀川さんは、医療界にとてつもない爆弾を破裂させた。

軽~、書きましたけど、愛の物語で、献身であり、サスペンスであり

見事な調査報道です。堀川さんは、「暁の宇品」から2冊目ですが

凄い書き手ですね。第一部の夫婦の愛の物語が壮絶です。

 

「ここにいるよ」2刷り

2025 年 2 月 10 日


造本装幀コンクールと云うのは、業界向けの賞なので業界では評価されても

それが販売に結び付くかと云うとそうでも無くて低迷していましたが11月に

ひとり出版社と云う切り口も含めて大手新聞社にインタビュー記事が載ると

飛ぶように売れ始めてやっと2刷りになりました。西山さんはおひとりで出

版社を立ち上げて、編集から営業、装丁、印刷製本など一人で何役も熟して

おいでのスーパーウーマンです。丁半博打の鉄火場のような処で勇壮果敢、

おひとりで切り盛りされるだけあって向こう意気はそれなりにお強い。そん

な西山さんをしょっちゅう泣かせているのが私です。この前の表彰式も、表

彰台に上がらなかったのは、最後の製本方法で対立して「イニュニックは、

引かせて頂きます」と一旦は仕事を断ったからなのです。そこで泣かれてし

まって渋々と印刷だけという条件でお仕事を受けたした次第です。(講演等

色々な処でお話しされているようなので)この2刷りでも揉めました。カバ

ーの色等、色々と変えると云うのです。「それは駄目でしょう?」と云いま

した。焦げ茶色で地味だからピンクにしたい、その方が売れる筈と云うのが

先生の言い分。「そんなことしたら、業界全てを敵に回しますよ」と。

この話も台湾の「ひとり出版社」というイベントで「印刷会社の社長におこ

られた」と云う笑い話で、台湾の新聞にも書かれた記事が有ったのでばらし

ます。私は何だか西山さんのネタにばかりなっている感じなんです。

今、大手出版社をやめて「ひとり出版社」を立ち上げておいでの方は、本当

に沢山おいでです。作家が自分で本を作って売ると云うのから、編集者が作

家と一緒に本を作って売るという、より強力なタッグが生まれ始めている。

販売イヴェントも何だか凄い勢いで増えています。本が売れないのではなく

て、今の本のビジネスモデルが破綻し始めているだけのような気がします。

「ひとり出版社」と云うのがこれからの出版の王道になるのかどうか?どち

らにしても少部数出版は大体イニュニックに来てくれている様で、うちとし

ては目出度し目出度しなのです。


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