親愛なるレニー
2023 年 2 月 8 日 水曜日
レナード・バーンスタインと二人の日本人の物語。バーンスタインは
ベートーベンの交響曲を持っている。中学生の時、親がカラヤンのベ
ートーベンをしょっちゅうかけていてその旋律や抑揚は、身体に沁み
込むほど入ってしまっているのだけれど、カラヤンは私にとっては、
普通と云うか基準点見たいもので、もっと違うベートーベンを聴かせ
てくれるのがバーンスタインです。カラヤンとバーンスタインが、当時
強烈なライバルだったと云うのは面白いエピソードでした。
私は、音楽や絵画や写真などは、その作品だけしか見ない。解説や
能書も読まない。もちろん音楽家はその音がすべてで背景はどうでも
良いのですね。それでもバーンスタインが「ウエストサイドストーリ
ー」のサウンドトラックを作曲したと云うのは驚きました。その情報
はあまりにも大きく、聴き方が変わってしまったと云うのも事実です。
この本を読んでいる途中で「マーラー交響曲」買ったのですが、随所
にウエストサイドが入ってくる。この本は、アメリカ議会図書館の舞
台芸術部に残された「バーンスタイン・コレクションの目録」に見い
だされた二人の日本人の手紙から始まります。膨大な量の書簡が残さ
れていた。戦後の日本も絡められて物語は進められていく。愛の人だ
った。博愛の人だった。全身全霊で生きた人だった。日本という国を
常に意識していた人だった。本当に感動の嵐でした。涙と云うのは、
このような昂ぶりの為にあると思わせる人だった。