熱く沸き立つ身体の中を流れるもの

2023 年 3 月 17 日 金曜日


皮膚が臓器だとは思ってもみませんでした。本来の私と世界を

切り分けているのは皮膚だけなのです。いえいえ、ただの境界

だけではありません。属性を語り、身体の内部の状態を語り、

歴史を語る。久々に興奮して読んだ本だったのですが、あまり

にも時間がかかりすぎ、そして内容が多岐にわたりすぎていて

感想書くまでに纏める事が出来ませんでした。皮膚の働きも書

いてあります。例えば安保徹さんが言うには、右手に氷の塊を

押し付けたら右腕全体の血流は止まります。あらゆる危険察知

センサーが張り巡らされています。皮膚は外部からの侵入や刺

激に鋭く反応し、防衛体制を取ります。化粧品やコラーゲン

など皮膚に塗ってもその時だけの内面からの分泌を補助する役

目しかないと云います。沁み込むことはないのですね。むしろ

中からの分泌を妨げるので害にしかならない。温泉もそうで、

薬湯成分が沁み込むことはありません。温泉が色々と効能を

謳っておりますが、どこまで本当なのか怪しいのです。

温泉好きです。例えば去年入った温泉。一番入っているのが

板橋の日帰り温泉「さやの湯」ここはサウナ目的。上高地温泉、

鹿の湯、渋御殿湯、奈良田温泉、須川温泉、渋温泉。二泊三日

位でついたら温泉と読書と酒といびきで過ごします。入りすぎ

ると眼の下にクマが出来る。須川温泉は濃かった。鹿の湯はヒ

素が入っています。温泉は毒です。湯治場では、一日に二回ぐ

らいしか入ってはいけないと云います。温泉は雨や海水が地中

深くマグマに届くところまで沁み込んで沸き立って地上に噴出

したものです。原始の地球と生命の誕生に係る所のモノです。

先週の土曜日においで頂いた大先輩は、長らく原子力を研究し

てきた方でした。放射能をみんな悪く言いすぎですと仰います。

放射能がなければ生命は生まれなかった。細胞レベルから進化

するために放射能は大きな働きをした。次の進化の為にまた必

要になるかもしれないと云われていました。肝心要の原子力発

電のシステムは、未完成で改良しなければいけない余地は十分

にあるとのことです。で温泉です。温泉は毒です。しかし我々

の形成に必要だった毒なのではないでしょうか?地球と云う生

命体と我々動物は不可分に結びついている。だから温泉につか

ると太古の息吹に曝される。それが刺激になるのだと思います。

温泉と身体の中の血液が熱く反応する。免疫力が高まるだけで

はない働きをもたらすのでしょう。我々の中にある血脈こそ温

泉ともいえるのかもしれません。

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