ゲルハルト リヒター展
2022 年 6 月 26 日 日曜日展示の半ば頃「黒赤金」と云う作品が出てきました。これはちょうど三日
前に同じタイトルの散文を読んでいたのでした。古谷誠一さんの「メモリ
ーズ」に寄せられた、東ドイツの作家アイナ― シュレーフの「黒赤金」。
黒赤金(黄)はドイツの国旗の色です。リヒターの作品は縦に並んでいた
のですぐには気づきませんでした。クリスチーナの統合失調症の原因と云
うか元になっているのが、強制収容所の記憶だと云う事。よく読めば、シ
ュレーフもその辺りの事をずっと書いている。リヒターも元々は東ドイツ
の人です。勝利への意志、創作への意志、絵画鑑賞への意志。生存を自ら
の意志とは違う動機で生体から死体に変容させられた者たち。
「ビルケナウ」至高の到達点だと思いました。