アーロン収容所 会田雄次

2022 年 5 月 23 日 月曜日

ビルマ、ラングーン、英軍捕虜収容所、アローン収容所。会田さんの

2年の捕虜生活。英軍の又は西欧のアジア人蔑視の体験談と云う事で

読み始めました。イギリス人女性が素っ裸でも、排便中でも日本人捕

虜に対して意に介さない、まるで家畜がそばに居る様な態度でしか接

しないと云うのは、それほど驚くに値しない感じがしました。しかし

それ以上にビルマ人、インド人、グルカ兵らとの攻防や捕虜生活の楽

しみ、望郷、苛立ち、空腹等の実態の方が興味深かった。シベリアや

中国の様な悲惨さがないのは、会田さんがわざとユーモラスに描いて

いるせいです。しかし、戦後捕虜になった者達と泰麺国境でイギリス

人捕虜を虐待して大勢を殺した百何十人かは、扱いが違いました。

裁判を待っているという話でしたが河の中州の様な処を収容所として

いた。満潮になると30センチほど浸かる様な処で、満足な食事も与

えられなかった。しかしそこは毛ガニ(モズクがに)が沢山いました。

美味いやつですが、アミーバ赤痢の巣の蟹でした。生で食べるしかない。

イギリス兵は、それを知って居ながら岸から双眼鏡で毎日眺め、日本人

捕虜が死に絶えるのを見ていました。グルカ兵を使ったりインド人を使

ったり割とこうゆう事をよくする。自分では直接手を下さない。アメリ

カ大陸のインディアンも天然痘の人が使っていた毛布で随分殺されまし

た。去年読んでいた「ヒューマンカインド」と云う本の中でアメリカ軍は

全兵隊の30%位しか自分の鉄砲を発射していないと云う記述が在りまし

た。七割の兵隊が鉄砲を打っていない。これはキリスト教と云う教えが

影響しているのかもしれません。しかし、兵隊の全部が前線に行く訳では

ありません。こん辺が「ヒューマンカインド」と云う本の怪しさでした。

昨日、米軍横田基地にエアフォースワンに載ってバイデン大統領が来たと

ネパール人のブバン君に教えて貰いました。丁度横田基地に居たそうです。

土曜、日曜で横田基地で「日米友好祭」が行われていて飛行機のコックピ

ットに座ったと嬉しそうに云っていました。流石に世界最強のグルカ兵の

末裔です。軍事おたくなんですね。我々が知っているネパール人はエベレ

スト登頂の補佐をするシェルパ族ですが、彼らの忠誠心も凄い。

ウクライナが終わったら次は台湾、中国と云う事で日本人が沢山集まった

横田の群衆の真ん中に降り立つバイデン大統領であります。去年「暁の宇

品」を読んでからまたまた過去の戦時物を読み始めてその中に吉村昭の

「空白の戦記」がありました。「最後の特攻機」に在った資料にビックリ

しました。殆んど語られる事の無い特攻隊の戦火。沖縄沖に集結していた

戦艦1400艦船のうち、400艦船を撃沈させています。アメリカの資

料から。他にアメリカ海軍軍人1万人が発狂しています。日本の軍隊は世

界最狂なんです。白人や黒人がアジアで大ぴらに作戦を展開する事なんか

出来ない。これからは鉄砲や大砲を撃つような戦いではありません。致死

性の病原菌を体内に帯びて敵地に特攻していく方法がとられます。妄想が

激しすぎるでしょうか?強ち嘘とも云えないのが我々老人を使う分にはい

くらでも玉がある。安い玉です。お婆ちゃんでもOKです。

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