ふうてんの寅さん

2020 年 1 月 9 日 木曜日

去年「帰ってきた寅さん」は観ましたよ。あの気持ちの悪い合成人間で

甦らないとこは良かったけど、帰って来るとはどういう事だろうと改めて

考えました。寅さんを映画館で見た事なんか一回も無いのに再放送は殆ん

ど見ています。間違いなく3回づつ位見ています。映画館上映時代は、若

かったし自分と同じようなおっさんを見て笑い転げるほど、自虐的では無

かった。それが自分と云うモノが判って来て成長より劣化の方が目につく

ようになって改めて寅さんを観た時、私なんかより数段上等な人なんだな

と云うのに気付く訳です。大体ストーリーどころかセリフも覚えています

ね。新聞で見つけたらチャンネルを合わせます。それにしても私はあの映

画に何を見ているんだろうと考えます。どんな馬鹿だろうとへまだろうと

失敗だろうと笑って許して呉れる、あの関係に心が癒されるんだろうな思

います。だから、癇癪起こすのは寅さんだけでは無くて、みんなが怒って

笑って赦して上手く持ち回りで演じるから楽しい街なのですね。僕たちが

あそこに帰りたいのではないかと考えています。AIやロボットやコン

ピューターは、優性主義を突き詰めます。効率化と曖昧さの無い関係を構

築します。明らかにその様な社会構造に作り替えようとしている。その意

図を覆い隠す為に多様性を持ち出している。裏でリストラの計画を画策し

ながら働き方改革を謳って忠誠心を試すのと同じです。多様性を第一義

に重んずるAIと云うのは存在するのでしょうか?寅さんの様に失敗ばか

りするAIと云うのは、存在するみたいだけどAIが失敗してもお笑い

にならないですね。私たち人間が面白いのは、矛盾だらけだし、動物の

割合が結構高いし、エゴイスティックでありながら理想も掲げたいと無

理な旗を掲げようとするからであって、こんな破綻だらけの人間の集合体

だから人類は面白いんですね。戦争も始めようとするしね。オットゥ、戦

争を面白がってはいけませんね。ここは、強い人類の意志を見せなければ。

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