尿意と亀拓とタイガーマスク
2016 年 2 月 9 日 火曜日きっぷをもいでもらう瞬間、少ししっこがしたかったので、トイレに行って
おこうかな?と少し考えたのでした。しかしホンの30分前家を出るときに
小便は済ませて来ていたのです。予告が始まってしばらくしてまた、
しっこのことが頭をよぎりました。しかしまた、30分前の小便と云う事実で
その身体的シグナルを打ち消してしまったのです。
日曜日に見た映画は何故か評判の良かった「俳優 亀岡拓次」でした。
座ったのがど真ん中の座席、ほとんど満席で右に6人、左に6人びっしり
周りを囲まれての2時間と相成りました。映画はわき役がメインの地味ではあるが
味のある俳優亀岡拓次のお話です。最初のほうで本当の名わき役、神戸ちゃんが
出ていました。映画は、ごく普通のしがないわき役俳優の日常が淡々と流れていく
のですが、私の尿意はどんどこどんどこ、膨れ上がっていくのです。下腹部の
膀胱の中で尿意君は大きな声で叫び始めます。1時間ぐらいたったときには、
もうはっきりトイレに行かなくちゃぁと考え始めているのですが、みなさん和やかに
笑ったり、微笑んだりすっかりくつろいで亀岡拓次を楽しんでいるのですね。
なんとなく水を差すようで悪いなと思ってしまうわけです。だって、家を出るときに
済ませたばっかり何ですから。それで尿意を我慢しながら、心温まるドタバタ
喜劇を観るとどうなるかと云いますと、焦りながら早く早く、先へ先へとなるわけです。
全然楽しめていないのです。でなんとなく今のこの自分自身と亀岡拓次がシンクロ
し始めるのです。最後、振られて居酒屋から出て来て、道の真ん中でズボンの中に
小便を漏らすのですが、思わず私も逝ってしまうところでした。いろんな意味で
面白かったと云えば面白かった。でも尿意があったから良かったのか、無かったら
もっと良かったのか?楽しい経験でした。しかし、ズボンの中に放出するとき音は、
しませんから。映画が終わったら急いでトイレに駆け込み3分ぐらい放出続けました。
晴れ晴れしながら階段を上がると、ちょうど新宿タイガーマスクが降りてくるところでした。
「尿意と拓次とタイガーマスク、みんな違ってみんないい!」なんのこっちゃ!