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狗賓童子の島

2015 年 6 月 17 日 水曜日

狗賓童子の島 飯嶋和一著

1837年から1868年までの島根隠岐の話。

初めての飯嶋和一の本。時代劇はあまり読まないです。

話の筋は大体判りますしどんな事件があっても知っているもの

ばかり、時代劇でフィクションになったら、それは時代劇とは

言えず、基本見聞き知ったるあの時代のながれの範疇での

物語になります。でも、これを手に取ったのは大塩平八郎の乱で

あるという事、話が民百姓の物であるという事。結構時間がかかって

しまいました。退屈だったけど面白かった。改めて歴史の勉強に

なりました。一般に時代劇は侍と維新と太閤記が時代劇3題演目と

なっています。百姓や悪徳商人の話はほとんど演目には上がりません。

取り扱うのは落語ばかり。

大塩平八郎の乱と云うのは教科書の中でしか知りませんでした。

旗本でありながら救民を旗印に貧しい農民のために幕府に対して

反乱を起こした。大塩平八郎を師と仰ぐ近隣の富裕な庄屋なども

参加しその中、河内の西村履三郎の息子、常太郎がこの本の

主人公。実際は1837年から1868年と云う時間、歴史の流れが

主人公であります。狗賓童子の狗賓とは天狗の別の言い方で、

島流し遠島、隠岐の島に伝わる島独自の立法ともいえる約束事を

云います。医師として修業を積む常太郎の目を通して清々しい

島の住民たちの生活や塗炭が伝えられます。農民や漁師の生業が

どの様なものでありどの様な階級仕組みでその生活が成り立っていた

のかなんとなく判ります。余りこの辺は教えてくれないですからね、

学校では。昭和に入ってからの現代史と江戸時代の民衆生活は、

ほとんど教えてくれません。とても都合が悪いのでしょう。

此処に書いてある30年は特に幕末に向かう一番時代が動いた

維新の時代です。今まで散々聞かされてきた維新とは少々違う

ようなことが垣間見えます。まず大塩平八郎の乱のときに鎮圧

したほうも反乱したほうも鉄砲がさび付いていて使えなかったと

いう事。ここの情報は重要で3%の武士階級が97%を抑え込む事が

出来たのはひとえに鉄砲があったからです。これがばれてしまった。

この後一揆や打ちこわしが多発した一つの要因に考えられます。

でもすぐに新品を買い揃えたのでしょうが。

話は違いますが坂本龍馬の懐手が嫌いです。あれは短銃を

いつも持っていて、いつでも撃てるんだぞと云うポーズで

武士としては卑怯です。

それから外国船が一杯立ち寄るようになります。その外国船は、

病原菌を持ってきます。ずっと鎖国をしていた日本は、ある意味

ブラジルの原住民と同じです。ブラジルの奥地で文明と接触の

なかった原住民たちはそのほとんどが入ってきた文明人の病原菌に

殺されてしまいます。それと同じことが幕府崩壊の江戸末期に起こり

ます。そこで起きるのが攘夷です。攘夷とは外から来る敵を打ち払う事

です。尊王攘夷とセットで思想運動として云われるようですが、本当の

所病原菌じゃないのかなと思います。外国船がウロウロしだした

ところで、国境最前線の九州、長州がいち早く反応します。山口は

気の短い人が多いです。最前線だからです。米、英、仏、蘭と下関戦争を

始めて負けます。列強4か国に莫大な賠償金を払います。大阪の商人に

借りたそうです。ほとんど長州藩崩壊位のの金額です。それがいつの

間にか、軍艦や鉄砲、大砲一杯持って江戸幕府に戦いを挑みます。

どこからお金出てきたのでしょう。いつだって我々民衆には本当のことは

教えて貰えません。実際に起きたことを歴史と云うのではありません。

プライドが保てる物語を歴史と云います。日本の場合。

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