東京自叙伝
2015 年 1 月 8 日 木曜日正月前の四国行のフェリーの中で読み終えました。
あらから10日位経っちゃっているので強烈な読後感は
だいぶ収まってしまいましたが、それでも何か語らずには
いられない気持ちがあります。
歴史の大きな流れと時代の大きなうねり。大雑把な言い方に
なってしまいますが、帯にある様に「なるようにしかならない」
まるで般若心経だと思ったのです。東京という地霊が喋ると
いうのは東京という世間が起こす、欲望の総和の結実としての
事件なり破たんだと思います。
ですから「なるようにしかならない」
これにコントロールが入ってくるから余計にわけが判らない。
戦後ずっと日本は宙ぶらりんです。
コップを常にかき混ぜる人たちがいる。収斂の方向も定まらないので
致し方ないのも確か。
「なるようにしかならぬ」諦めと欲望全開で渡るしかない世間を
東京地霊と云っているのかと思います。
最後まで読んでこの語り口の妙が理解できます。