images...">

トレッキングポール

2014 年 9 月 30 日 火曜日

先週の週末、白馬鑓温泉に登山復活の足慣らしとしてかみさんと

行って来ました。

土曜日の朝10時、猿倉の駐車場にヘッドライト付けたままの車を停めて、

勇躍ポール伸ばして登り始めました。この時点でヘッドライトが付いて

いるなんて知る由もありません。車の型が古いと警告音もありません。

波乱の伏線が張られているのも知らず、絶好調のスタートでした。

ひと月前富士山に登った時にこの「レキのトレッキングポール」を初めて

意識的に使ったのです。買ったのは10年ぐらい前でしたが、カッコ悪い

と思い続けていてずっと使っていなかったのです。

なるべく足に負荷をかけないで上半身で登る様に身体を使うとすると

ぐいぐい登れます。足ばかり使うと心臓は足にどんどん、血液を送り続け

なくてはいけませんが腕だと心臓からの距離も近いせいか、あまり息も

上がらないのです。

トレッキングポールを使う人は多いですがほとんど杖代わりの

使い方です。もっと上手く使えば相当長く歩けるし、重い荷物も持てます。

ココにも、今回の山行の落とし穴が待ち受けていたのです。

でもこれは良い方。このトレッキングポールを的確なところを支点にして

体重かければ、そこに立派な手すりが出来ます。登りはまだ急なところは、

鎖や手をかけられるところがありますが、下りには手を着けられるところは

ほとんどありません。登山道にずっと手すりが付いている感じでしょうか?

夫婦二人この感じに騙されてしまったのです。もともと足慣らしだったから

白馬鑓温泉と猿倉の往復のみのはずだったのです。それが白馬岳から

降りてきた人と酒を飲みながら上の紅葉の写真を見せられたのです。

これは、1時間ほど上の写真、これは、2時間ほど上の写真。

素晴らしい紅葉の絵を見せられながら耳元でささやかれますと、そこは

もうお追従や甘言に滅法弱い我々二人、計画性のなさでは天下一品の

あほバカコンビは、何が何でも絶景を見ずしてなんで麓に下りられようか?

またまた食事時、横に座った女性1人、男性2人の若者たちが白馬に

登ってそのあと大雪渓を降りるというではないですか。予定では2時位に

猿倉と云います。何とかなるかなと歩を進めてしまったのです。

白馬は初めての山です。25年ぐらい前に登りました。

良い思い出しかないので、苦しかったことはすべて消えてしまっている

のです。一升酒持って、2キロの牛肉持って1キロのドライアイスを付けて

持って上がりすき焼きをしたのです。勿論豆腐も卵も白滝もすべてそろえた

本仕立て。自分の体を引き上げるのさえ困難なロートルが甦った元気

バリバリの楽しかった思い出に引きずられたのもありますが、やはり一番は

このトレッキングポールです。なんだかんだと云いながら、やはり稜線の

尾根歩きは気持ちよく絶景に見とれながらも四足歩行は快調です。

でも老いたかみさんとの長閑な山散歩は楽しかったはずなのに、少ない

水と食料を奪い合うあたりからこの山行の様相が変わり始めてくるのです。

まぁ、その醜い争いは割愛して、何とか白馬山荘に到着です。

白馬山荘は昔読んだガイドブックでは1500人収容のホテルのようになって

ステーキ定食のランチがあると聞いていたのです。それがそれが、カップ

ヌードルしかないと云います。昨日は230人も泊まっててんてこ舞いだったと

外で休んでいるおじさんはノタマイマス。随分話が違います。多分旅行会社

のトレッキングツアーを充て込んでいたのでしょうが、事故が多発してトレッキ

ングツアーが下火になったのでしょうか。それとももうオフシーズンになり始め

ているのでしょうか?まあとにかく、食料と水が確保出来て腹が満たされれば、

また二人ボッチの下山道が始まります。山荘を出発が12:00丁度。

遠くからその道を眺めれば絶壁を降りてゆくような感じです。実際の歩きは

急こう配の坂道と段差の連続なので一歩一歩が太ももに響きます。

ポールで支えてそっと足を降ろすようにしても徐々に膝やふくらはぎに痛みが

溜まってきます。お花畑を過ぎ、雪渓の上に取りついて下りはじめるとそれなりに

滑るし楽しいことは楽しいのですが、あっという間に終わりです。雪渓をそれる

と急場しのぎの秋道が現れるのですが、踏み固められていないので崩れる

崩れる。この道の下りは厳しいですね。それでもポールがあったからまだ何とか

進めました。そこから白馬尻までの道が一番厳しかったでしょうか?前回此処を

登った時は白馬尻を過ぎたらすぐ大雪渓だったのです。もっともそれは、7月の

終わりで大雪渓がずっと下まで伸びていた時の事。そこまで智恵もまわりません

でした。

大きな岩に囲まれた窪地にぼけっと立って待っていると、かみさんが

「おしっこがしたいって何回も言っているじゃないの!」と叫びながら私のほう

へ鬼のような顔で走ってきて、ポールやザックちん投げてズボンを下ろし始め

るのです。あわてて岩の向こうに逃げながら、周りをきょろきょろ偵察して私も

しっこしました。夫婦でつれしょんですね。

そのあとは、白馬尻で水を買って水筒に移したのを落としてほとんどなくし

たり、これは太ももに挟んだ水筒に水を入れていたのですが、思いのほか

太ももの筋肉に力が入らずこぼしてしまい、また怒られるのでした。

でもそれは、最後のフィナーレに向かうネジ巻にすぎず、猿倉に4:30に

到着していよいよ最終章が幕を開けるのでした。

10時間歩いたのはホント久しぶり。  つづく。

(明日削除させられるかもしれません)

上へ