都電荒川線 100周年

2011 年 10 月 3 日 月曜日

鬼子母神駅前。記念の花電車が走りました。近所を走る都電荒川線。

明治44年から走り続けて今年でちょうど100年目。

新宿の早稲田駅から三ノ輪橋駅まで約13キロを結ぶ都電です。

王子の飛鳥山付近は車道を走る路面電車となりますが、ほとんどは

専用軌道を持ち、家と家との間をのんびり駆け抜けます。

南千住の三ノ輪橋は、昔吉原があったところ、永井荷風が遊女の弔いに

よく通った浄閑寺。品川の鈴が森と並んで江戸の処刑場だった小塚原

刑場。ここは子連れ狼の仕事場で、杉田玄白もここで死体解剖をしていました。

回向院は、吉田松陰、鼠小僧次郎吉などの咎人が弔われているところ。

この近くに山谷があり、明日のジョーの泪橋もここにあるそうです。

荒川のこの辺りには、弊社の製本の下請けさんがいるのでよく来ます。

日本堤の方にテレビで紹介されていた有名な馬肉屋さんがあります。

今回で2回めなのですが、また少し足を延ばしました。

店の主は耳が少し遠く、腰も少々曲がり始めた70ぐらいの人の良さそうな

爺さんです。500グラムの馬刺しを塊のままでと注文しました。

塊を手に取り秤に乗せて、油紙に包もうとしたところで手を滑らせたようで

土間に落としてしまったのです。

「あわっわっわあっー!」と声をあげながら、慌てて拾い上げ、フーフー吐息を

吹きかけています。向うを向いて何やら一生懸命布巾で全体を拭いております。

そしてやおら、元の油紙でまた包もうとするのです。

「ちょっとちょっと、おじさん、それ売るの?」

「えっ、駄目かい?」

「駄目だよおぅ、今落としたじゃん!」

「だから、ちゃんと拭いたよ。」

「でもそれ、生で食べるんだよ」

「そりゃ、生のほうがいいね」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「違うのに代えてくださいよう!」と云ってビニールパック入りの物に

代えてもらいました。

この辺は濃くてディープです。

「三和戸のバイ菌で死ぬのかい?」ともう一人の自分が囁きます。

「なんで馬肉にしたのか忘れたのかい?」と畳みかけます。

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