かなわない 植本一子

2018 年 3 月 9 日 金曜日

久々に全力疾走で読み切りました。都築さんがフィクションだったらと

書いていますが、私も後半でフィクションだったら最高傑作だなと思い

ました。しかし、違う意味で、所謂ブログ本と云われるものの中では相当な

傑作です。いや新しい文学の形でしょう。いやぁ~、書く書く、何でもかん

でも洗いざらい書いてます。最後の方で「ホッホー、こちらの件は書いて

なかったのね」と云うのがありますが。母親も読んでいるのに自分が子供を

可愛がれ無い理由を母親との確執が原因などと分析しながら全部をみん

なにぶちまけます。ひりひりする緊張感がありますね。書きながら読まれ

ながら、言われながら答えながら、演者と観客がお互い相絡み合いながら

群像劇を進行させます。多分これが私小説文学の新しい形ですぜ、西村

賢太さん。最後は母親がらみのネグレストっぽいところから来る人格障害と

いう話まで出て来て。かくされていた恋人。まっ、この辺で。

この本を読みながら私も母の事を考え続けていました。サンキュウ。

今日は、母の命日です。

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