小津安二郎

2013 年 12 月 12 日 木曜日

今日は小津監督の110年目の生誕日であり、50年目の忌日でもあります。

その独特の映像美は世界から高い評価を得ていますし、ファンも多い監督

です。告白しますと私は一本も通して観たことはありません。見るべき映画

だと分かっているのですが、何回挑戦しても見通すことが出来ない。たぶん

生理的に嫌なんだと思います。

一見、ごく普通の何気ない家庭の生活の物語が淡々と進行していくような

展開で取り立てて嫌なところが映っているわけではありません。映像は明るく、

シャープです。でも、過剰なのです。畳み掛けてくるのです。これでもかこれ

でもかとゴテゴテに盛られているのです。書き割りの人物がイキナリこっち

向いてロボットみたいに喋り出すようで、観ていてどうにもこうにも落ち着か

ない。そこには、自然な人間がいるようで、いない。遊びとか一拍が少ない

様に思うのです。作り過ぎの思惑だけが独り歩きしている。こんな感想を

持つ人はあまりいないので、私の生い立ちか何かが影響しているので

しょうが、巨匠だろうと、天才だろうと嫌いなものは嫌い。

何も命日の今日、そんなことひどいこと言わんでもと思うのですが、

何でもかんでも好きなことしゃべり散らかすのも今のうちみたいですしね。

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