アンタッチャブル

2012 年 9 月 4 日 火曜日

ドリスとフィリップ。それぞれの袋小路にはまっていた二人が出会う事に

因って人生が動き出します。マセラッティ、大麻、耳感マッサージ。

音楽が素晴らしく(とくに最後のピアノ曲) シーンに無理がなく極めて

リアル。細部のアイテムの趣味がとても良い。

現代に甦ったビスコンティだ。

しかし、「最強のふたり」と云う邦題は無いだろうと思います。

じゃー、どんなのがえーのんか云うたら、またこれがウマいのおもい

つきません。ドリスが強いのは確か。優しいやんちゃな兄貴だ。

じゃあフィリップは?尻の穴からウンコを掻き出して貰わなければ生きて

いけない人ではあるが、深い孤独に耐える強い心を持っている。

アンタッチャブルとは、触ってはいけない、触れないという意味。

ほとんどの人は不可触賤民みたいに訳知り顔でノータッチ。

ドリスのようにからかえる人は滅多にいない。でも身障者の人を

アンタッチャブルなモノとして扱うのが一番の侮蔑だと思います。

世の中には障害者も心を病んだ人も貧乏な人もゲイの人もマイノリティは

一杯います。でも、助け合ったりからかい合ったり触れ合う事でこの世界が

生きるに値するすんばらしいモノ足りうるのだと思うのです。

 「あー、人生はこうでなくっちゃ!」と思わされます。

久々に心から楽しめた映画でした。

この映画を見ないで何を見るのですかと強く云いたいです。

上へ