今を食べる

2011 年 10 月 18 日 火曜日

最近私は、いつも腹を空かしています。あまり食べなくなった。

この本は最近凝っている辺見庸さんの代表作「ものを食う人びと」

最貧国や紛争の地に赴き、そこの人たちと一緒に同じものを

食べまくるルポです。8年後のチェルノブイリ、立ち入り禁止の

30キロ圏内に入って違法に住み続けている人達に食事をごちそう

されます。同じくロシアの話。1993年、ロシア太平洋艦隊の

兵隊4人が餓死したという話を調査しに行きます。

分かったのは、配給の食料を将校たちが横流しして売ってしまい

兵隊にモノを食べさせなかったということ。

チェルノブイリから7年、ウクライナの平均寿命は10歳ぐらい下がって

います。人口が5400万人から4700万人に減っている。私はすべて

チェルノブイリのせいだと思っていましたが、強ちそうとも言えない部分も

あるようです。

ここに並んでいるのは、特別な状況の特別な食べ物のように見える。

しかしそれらは、ごく普通に世界のありのままの食生活でもあるのです。

同化するように寄り添い、共感します。同じように胸を痛める姿がとても

切ない。結局私たちは、その時その時を食べるしかないのでしょうか。

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